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2008年02月09日

カタカナ: カン can

 今日は缶の話です。改めて身辺を見回してみると、ビールやお茶などの飲料から、ホールトマト、シーチキン、コンビーフ、クッキー、茶葉などの食品、整髪料や殺虫剤のスプレー、塗料、灯油など、缶入り製品は意外に多い。形状は円柱か直方体のどちらか(三角錐や四角錐の缶は見たことがない)、大きさはそれぞれの内容物によって異なる。アンチョビの缶あたりが最小で、上は一斗缶(18リットル缶)、河原に転がっているドラム缶の容量は200リットルである。そうか、缶バッジなんてのもあるな。
 材質は主にスチールとアルミの二種類である。その昔はブリキ缶(すずでめっきした鉄)が主流だったが、不純物が多くリサイクルに適さないので、今ではほとんど生産されなくなった。ブリキに取って代わったのがスチール(ハガネ:鉄と炭素との合金)である。スチール缶の長所は、頑丈で、熱に強いこと。コーヒーなどのホット飲料はスチール缶を用いるが、これは熱い液体を入れても変形しないし、のちに冷めても缶がへこまないからだ。また、埋蔵量が多いのでコストが安いという利点もある。しかし、炭酸飲料を長時間入れておくと、鉄が酸化して錆びてしまうし、いかんせん重量のある金属なので、輸送コストがかかるという欠点もある。
 それを解消するのがアルミ缶である。こちらはボーキサイト(bauxite)という鉱石から作る金属で、なにしろ軽いのが特徴。鉄の三分の一しかない。鉄に比べると錆びにくいし、熱伝導もいい。リサイクル性も高く、低コストで何度でも再利用できる。しかし原料のボーキサイトは99%輸入に頼っているし、リサイクルできるとはいえ、最初のアルミニウムを作るのに膨大な電気代がかかる。また、片手で握りつぶせるくらいの強度なので、炭酸飲料やガスを入れて内圧を高めないと、破裂する危険がある。
 つまり、双方、一長一短ということ。飲料缶に限っていえば、炭酸飲料はアルミ缶で、その他はスチール缶を採用する会社が多いようだ。缶のゴミの日に、ゴミ袋をひとつひとつ開けて、アルミ缶だけを持ち去るおじさん(公園暮らしの)がいるが、アルミ缶はわりと高く売れるらしい。とはいえ1缶で1円とかだと思うけど。そのガッツがあるなら働けばいいのにと思うが、まあ余計なお世話だろう。スチール缶とアルミ缶は分別せずに捨ててよいことになっているが、リサイクル工場には強力磁石と強力送風機があって、あっという間に分別できるとのこと。賢くて素敵である。
 缶は英語のcanの音訳字。canの語源は、古英語のcanne、飲み物を入れる容器という意味である。スチール(steel)は「しっかりしているもの、堅いもの」、アルミニウム(aluminium)は「光の金属」。

投稿者 shiori : 16:52

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