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2008年02月23日

日記: 春一番(松山2)

 終日、祖母宅の片付け。前回来たときは、あまりの物品の多さに「何をどこまで片付けるのか」という指針さえも決められず、適当にお茶を濁して帰ったのだが、今回は腹を決め、とにかく片っ端から捨てていこうという話になった。
 50年引越をしていない家にどれくらいの物が詰まっているか、それはもう恐ろしいほどで、おまけにややこしいのは分別、アイロンを、その木箱を、掛け時計を、花魁の人形を、そのガラスケースを、金槌を、日本刀を、行李を、玉すだれを、自家製梅干を、その壷を、熊が鮭をくわえた置物を、わたしはいったいどうすればいいのでしょう。ほとほと疲れました。
 再び道後温泉、そして道後ビールで英気を養い、食事に出かける。おこぜの刺身、いわしの天婦羅、鶏の唐揚げ、鯛飯など。写真は瀬戸内名物の、かわはぎの薄造り。中央の肝と合わせてポン酢で頂く。10時のあたりは縁側。苦みばしったいい男がいかにも好みそうな味。
DSC00768.JPG
 最近松山には『坂の上の雲ミュージアム』という資料館ができた(設計は安藤忠雄)。これは司馬遼太郎の同名小説のドラマ化を記念して、というか便乗して儲けようと企んで建てられたもの。しかし、肝心のドラマ化が、脚本家の野沢さんの自殺や資金不足などでずるずる遅れ(来年の秋から放映される模様)、先にできたミュージアムが割りを食う形となったようだ。まあ『坊っちゃん』にせよ、人のふんどしで相撲をとろうという姿勢がいけないね。
 しかしまあ松山というのは、いかんせん「のんき」な街で、昔でいえば、近隣の薩長土肥では喧々囂々と倒幕の気運が高まり、数多くの偉人を輩出していくなか、のほほんと湯遊びに俳句遊びに興じていたくちで、祖母などは「アホぎりよ」といったものである。温暖な気候に豊穣な食物、そういう風土によるところが大きいのだろう。
 本日の松山は、春一番が吹きすさんだ。

投稿者 shiori : 12:42

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