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2008年01月24日

カタカナ: スローガン slogan

 あなたの座右の銘はなんですか、とこれまでに7回は聞かれたことがあるが、はてさてなんと答えたのだったか、改めて今考えてみると、そうですなあ、あえてあげれば「自由」と「正直」だろうか。しかしまあこれらの言葉をひっさげて、それに添う生き方をしています、というわけではなく、自分の傾向を総じていえばそんな感じ、というアバウトな話であって、要は座右の銘や標語を掲げる生き方をしていないということ。
 個人の場合はそれで構わない。それこそどんな生き方をしようと自由だからだ。しかしこれが何らかの集団になるとそういうわけにはいかない。「打倒!○○」と掲げて心を一つにする必要もあるだろうし、「我々は省エネを優先します」と謳って他団体との差別化をはかる必要もあるだろう。
 それは言語の成り立ちをみても明らかで、例えば、スローガン(slogan)という言葉はもともと「スコットランド高地の住民のときの声」という意味だ。ゲール語のsluagh-ghairm(軍隊の叫び)に由来している。モットー(motto)はイタリア語のmotto(言葉)が語源、もとは西洋の封建貴族が楯や紋章に記した言葉をさしていた。
 スローガンもモットーも、日本語でいえば、標語や主義・主張だが、スローガンのほうが政治的・宣伝的意味合いが強い。関係する言葉にキャンペーン(campaign)というのがある。この語源はラテン語のcampus(野原)である。大学のキャンパスや野外キャンプも同語源。これが、野原→戦場→戦い→政治的運動、と変化して、現在の意味を持つようになった。英語だと「軍事行動」という意もある。
 いっぽうモットーに近いのは、マントラ(mantra)だろうか。呪文のように心の内で繰り返して唱える言葉のことだ。「絶対できる絶対できる」とか「落ちろ落ちろ落ちろ」とか。誰にでも唱えた経験があるだろう。日本語だと「真言」と訳す。空海の広めた真言宗の真言だ。語源はサンスクリット語の「演説」。

投稿者 shiori : 13:35

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