2008年01月21日
カタカナ: ロマンス romance
昨今ロマンスというと色恋沙汰をさすが、これはもともと「ロマンス語で書かれた文学」という意味で、つまりローマ帝国時代にラテン語で書かれた古典に対し、中世になって民衆の言葉(ロマンス諸語)で綴られた大衆文学ということ(cf.07.7.26)。森鴎外に対する赤川次郎みたいなことである。内容は伝説を扱ったファンタジイだったり、中世騎士の冒険譚や恋愛ものが多かったようで、想像するにFFやドラクエ的世界だったのではないだろうか。別名、伝奇小説ともいわれる。もちろんロマン(roman)という言葉もこの仲間で、近代にロマンス語で書かれた伝奇的要素の強い小説をそう呼んだ。
対してノベル(novel)というのは、いわゆる小説のこと。長編を指す場合が多い。英語では、ノベルより短いものはstoryと呼ばれる。ノベルの語源はnovella(新しいこと)。形容詞のnovel(新しい、珍しい)や限定品なんかを示すnoveltyも同語源である。storyの語源はhistory。
芸人さんが演じるコント(conte)も、実は物語を示す言葉である。フランス語で「短編よりさらに短い、軽妙で機知に富んだ話」という意味だ。だからショートコント(和製カタカナ語)は「短い寸劇」となって頭痛が痛むわけだが、あのスタイルはウッチャンナンチャンが考案したとものの本に書いてあった。すごい。ちなみにネタという言葉はラテン語とかではなくて、「種」を逆さに読んだ隠語である。
投稿者 shiori : 11:33