2008年01月10日
カタカナ: ババロア bavarois
今回は洋菓子、ふるふるした洋菓子の話である。ババロアにゼリーにムース、コンビニの冷菓子コーナー上段の類いといえばおわかりいただけるだろうか。大雑把にいうと、型に液を流し入れてゼラチン(cf.07.5.3のカタカナ)で固める菓子、ということになるが、液の種類によって名称が異なってくる。
もっとも簡単なのはゼリー(jelly)である。フルーツゼリーならば、ゼラチンを溶いて果汁を固めるだけでよい。自作菓子、初級編である。牛のコンソメゼリー寄せのように料理として出されることもある。語源は「凍らせたもの」という意のラテン語で、仏語風にいうとジュレ。
ムース(mousse)はどうだろう。これは「生クリーム+卵白+泡立て」たものを固めて作る。ふわっとした舌触りが特徴で、こちらも菓子だけではなく、すりつぶした魚などを加えて料理としても提供される。語源は「苔(moss)」。
次にババロアだが、これは「生クリーム+卵+加熱」したものを固めて作る。ババロアとは「バイエルンの」という仏語で、その昔ドイツのバイエルン公国がフランス人パティシエに作らせたことから、この名がついたと言われる。ふるふる系菓子の中ではもっとも濃厚で、カロリーが高い。
似た菓子にブラン・マンジェ(blanc manger)というのがあるが、こちらは「生クリーム+牛乳+加熱」したものを固めて、アーモンドエッセンスを加えるのが特徴。字義は「白い食べ物」。パンナ・コッタ(panna cotta)も同系列の菓子である。これはイタリア語で「加熱した生クリーム」という意味。製法はその名の通り、フルーツソースなどをかけて頂く。
このババロアの液をゼラチンで固めずに、焼いたり蒸したりしたものがプリンである。プリンとはプディング(pudding)が訛った言い方(外来語を輸入する時、目ではなく耳を優先するとこういうことになる)。プディングとはもともと小麦粉やらラードやらフルーツやら、色んなものを混ぜて焼いたものを指す言葉で、私たちが普段食べるカスタード・プディング(custard pudding)はあくまでその一種に過ぎない。
投稿者 shiori : 11:58