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2007年11月07日

カタカナ: レンタル rental

 日常的に人から借りるものといえば、家とビデオと知恵くらいのもので、今日日は布団や醤油は自前だし、バンドから遠ざかっているのでスタジオも借りない。トランクルームを借りるほどの家財道具もない。それでも何らかのイベント、例えば結婚式があれば衣装や音響機器をレンタルするし、旅先で車を借りたり雪山でスキー道具を借りることはある。でもせいぜいその程度だ。おそらく多くの人がそんな感じではないだろうか。やはり日々の暮らしには愛着が必要なのであって、日用品まで借り物でまかなうというのはどうも心もとない。
 しかしそれは個人の話、これが法人になると、愛着だなんだと言う前に利益を優先するわけだから、様々なものを賢く借り分けることになる。レストランはおしぼりやキャッシャーを、百貨店はマネキンや観葉植物を、病院は寝台や寝間着や医療機器を、オフィスは事務・通信機器やコーヒーメーカを、学校ならば跳び箱やマットを、それぞれ各種貸し家さんに借りて合理化をはかっている。
 レンタルの名詞形、レント(rent)はそもそもテナント(不動産借用者)が定期的に支払う地代のことで、ラテン語で「返す」という意味。これは余談だが、歴史的にみて、土地や金銭の貸借契約と識字率の向上は密接な関係を持っている。つまり、ああ言ったこう言ったという口約束ではままならず、念書するようになったはいいが、字を読めないと騙されるので、大人たちは必死で字を覚えたのである。ペンは剣より強い(?)。
 ところで、似た言葉にリース(lease)というのがある。基本的な意味はレンタルと同じ「貸借」なのだが、差別化して使われるのが通例のようだ。レンタルが不特定多数に貸し出すのに対し、リースは特定の顧客(主に法人)を相手にする。貸出期間についても、レンタルが日週月単位なのに対し、リースは数年単位と比較的長期だ。また、レンタルには期間内の保守責任はないが、リースにはあるのも相違点だろう。リースの語源は古フランス語で借地契約を意味するles。

投稿者 shiori : 18:08

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