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2007年11月28日

日記: レーシック

 目の手術の日。右0.04、左0.02という強度の近視だったが、角膜の厚みが充分あるので施術可能とのこと、うまくいけば両目とも裸眼で1.5見えるようになるという。本当だろうか。という疑念は依然として残っていて、だってそらあんた、20年にもわたって私を悩ませてきた近視がものの10分で治ってしまうなんて、なんだか悪いことをしているみたいだ。
 今回受けるレーシックという手術は、別名、角膜屈折矯正手術、簡単に言うと、レーザーで角膜(眼球表面の膜)を削って屈折率を変えることで近視を矯正するというもの。角膜の厚さは中央部分で0.5mm、と非常に薄いのだが、さらにいうとこの角膜、上皮と実質と内皮という三層に分かれていて、上皮だけの厚みでいえば60μしかない(ちなみにサランラップの厚みは20μ)。レ−シック手術ではこの上皮をめくって、実質層を剥き出しにしてレーザーを照射し、再び上皮を貼りつけるのだが、べろんと全部めくるわけにもいかないから、フラップと呼ばれる小窓を作成して開閉することになる。だから手術の手順としては、まずフラップを作成、続いてフラップをめくって実質層にレーザー照射、最後にフラップを閉じて消毒して終了、というわけ。
 そう説明されれば、ふむふむと腑に落ちたような気になるのだが、目の手術の最大の問題は、手術が「見える」という点。針のようなピンセットが目に刺さるのが見えるのである。これがひどく恐怖心をあおる。身動きしてずれたらどうしよう、地震がきて医者の手元が狂ったらどうしよう、万が一失明したらどうしよう、と不安は尽きぬもの、しかしこういうのはどこかで腹を括らねばならないのであって、心頭滅却すればなんとやら、私は心静かに手術室へ向かった。
 結果的にはあっという間の出来事で、角膜(コラーゲン製)の焼ける匂いだとかフラップをめくった時の視界の歪みだとか、うわあと思ううちに私の目は見えるようになっていた。おそらく0.6くらい。目標は1.5だが、瞬間的にぶわっと視力が上がるわけではなく、視界がすっきりするのは明朝、落ち着くには最低一週間はかかるとのこと。目は重くて不快だし、視界は散漫だし、脂ぎったゴーグルで水中を泳いでいるような気分で帰宅。指示通り目薬を頻繁に点眼、眼帯をして粛々と眠った。

投稿者 shiori : 12:00

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