しおりの吠えたガール＠鬱屈ナイト

　人手が足りないと誘われて、しばらく新宿のオフィスに働くことになった。黒っぽい服を着て満員電車に揺られ、よそいきの声で電話をしたりお弁当を食べたりセルを結合したり、デパ地下でパンを買って再び満員電車、身を縮めてつり革を握る私の名前は企業戦士シオリン。時にはこういうのも悪くない、あくまで時には、だけれど。
　朝の満員電車を乗り切るコツも徐々にわかってきた。
・塾校の生徒の前に立てば、日吉から渋谷まで確実に座れる
・特急の一分後、日比谷線直通の一分前に発車する各駅停車で、なおかつ横浜線に接続していない電車はすこんと空いている（鉱脈を掘り当てた気分）
・女性専用車両は座席回転率が悪い
・BGMはバッハの鍵盤曲がよい（席を奪われても腹が立たない）
　そんなわけで休日がことさら嬉しいのだった。昨日は下北沢でさんざ飲んだのちに友人宅に泊まり、今日は皆で8時間くらいおしゃべりした。昼過ぎに再びビールを飲み始め、『101回目のプロポーズ』を観たのちに、連れ立って松陰神社へお参りに行く。なんでも今日は神々のサミットが行われる日で、本日で来年のすべてが決まるのだそうだ。ほんまかいな、と言いつつも、ほな行っとこか、と気楽な感じが好きである。美しい秋空に映える紅葉、隣には家人と友人たちがいて、神様、ありがとう、と思った。