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2007年09月12日

カタカナ: スパイスとハーブ spice and herb

 かつてヨーロッパの人々は香辛料を求めて命がけで海を渡ったのです、と教えられて「そんなに大事かしら」と訝ったものだけど、まあ子供にはわかるまい、香辛料とはそんなに大事なんである。
 スパイスの原語はラテン語の「species(商品、種類、薬)」、これが転じて「特殊な品物」→「香辛料」となった。一方、ハーブの原語は同じくラテン語の「herba(草)」。いずれも料理に香りと味をプラスする調味料だが、ではスパイスとハーブの違いは何かというと、定説はないが、スパイスはヨーロッパに自生していないもの、ハーブは自生しているもの、という区別が一番頷ける気がする。胡椒やシナモン、ナツメグ、クローブなどはスパイスであり、品質が劣化しないよう乾燥させて粉状にした輸入したと言われている。一方、パセリやバジル、ローズマリー、オレガノ、ローレルといったハーブは生で使う場合もあるし、乾燥させる場合もある。
 それぞれ独特の風味があって、例えば牛肉にはホースラディッシュ、豚肉にはマスタード、白身魚には白胡椒、という具合に食材によって使い分けると料理がぐんと美味しくなる。単体ではなく複数のミックスパウダーとして使うことも多く、その最たるものがカレー粉と七味。最近ではチリパウダーやガラムマサラなんてのも人気だ。
 しかし日本でスパイスやハーブが食卓にのぼるようになったのはつい最近のこと、それまでの香辛料といえば、唐辛子、からし、わさび、山椒、生姜、しそ、茗荷など、生で頂くものが多い。今でもこれらの古株が圧倒的優勢で、香辛料売り上げの半分以上がチューブ入りのわさびの類いだとか。
 と思って我が家の香辛料状況を調べてみると、鷹の爪、ローレル、カレー粉、山椒、黒胡椒、白胡椒、オレガノ、サフラン、ターメリック(使ったことない)、冷蔵庫には粒マスタードと各種チューブ、とそれは淋しいもの。フレッシュハーブはバジルとパクチーを時々買うくらいだし、これを機にスパイシ&ハーバルライフをエンジョイしようと思ったり思わなかったり。
 ところで「parsley,sage,rosemary and thyme」と歌う『スカボロフェア』だが、これはそもそもサイモン&ガーファンクルの曲ではなく、イギリスの古い歌曲である。ハーブにも花言葉のようなものがあって、それぞれ「浄化」「耐久」「貞節」「度胸」を指す。清らかで遠くてもの哀しい名曲である。

投稿者 shiori : 12:28

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