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2007年09月20日

日記: ヨーワ

 最近、人と話していて気になることがある。男性に多いように見受けられるのだが、「要は」という言葉をやたら使うのである。1パラグラフにつき1回、ともすれば、1センテンスにつき1回のペースで、ヨーワヨーワ言う。当然こちらとしては「お、今からカナメとなる言が来るのだな」と身構える。しかし「なるほど、そういう話だったのか」と溜飲を下すことは少なくて、たいていは前述の続きだったり補足だったり、これといった話の進展は見られない。要は、と言ったはいいが、終わらせるにはまだ早かったのだろう。そういうことはよくある。こちらも先が気になるから再び話に耳を傾ける。するとまた「要は」と言う。身構える。肩透かしを食う。という作業を数回繰り返すうちに話の内容もよくわからなくなり、「要は」探しというか、もう「要は」しか耳に入らなくなる。
 要は「要は」は「要は」ではないのだ、要は。
 言うなれば「えっと」や「ん〜」と同じ間投詞の類いなのである。これは私の推測なのだけど、きっと彼らは仕事上の説明や説得に追われるうちに「要は」という言葉が便利だと考えたのだろう。相手の注意を喚起できるし、自分にもプレッシャをかけられる。しかし言葉の宿命として、使用頻度が増せば、そのぶん意味は失われる。そしてひとたび集団的口癖になってしまえばあとは飽きるまで垂れ流すだけ、再び意味を取り戻すには風化するのを待つしかない。青空のもと枯れ木が風に吹かれているような、もの哀しい光景である。
DSC00260.JPG

投稿者 shiori : 12:16

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コメント

写真は北方水滸伝ですね。

夢中で読んでます。あと彼は三国志も素晴らしいと。

私の家にある中でもっともヴォリュームのある本です
(漫画を除きます、次点は『ドリトル先生』シリーズ)
club水滸伝というのに登録(無料)すると
毎月一回北方謙三さんからメールが届くのですが
これがあらゆる意味で面白いです
http://www.shueisha.co.jp/suikoden/

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