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2007年08月24日

日記: 退院

 一週間ぶりにジーンズを履いたら、腰回りがゆるゆる。できる限り歩くようにはしていたが、やはり足が萎えたようで足取りが覚束ない。点滴をしていたほうの腕なんか見るからに細くなってしまった。寝付くとはげに恐ろしいこと。確かに年寄りだと3日床に就くと歩けなくなって不思議はない。身支度を整えた私を見て、看護士さんが「まあ、お綺麗」と言った。なかなか気の利いたはなむけを申すでないか。もう花まるあげちゃう。晴れやかな気分でS病院をあとにした。
 それで再び日常が戻ってきたのだけれど、「娑婆に出た」という表現は言い得て妙なのだった。住み慣れた家や見慣れた風景が奇妙に映り、道行く人に違和感を感じる。ほとんどThe Doorsの世界。世界が奇妙なのは君が奇妙だからさ、とジム・モリソンの声が聞こえてきそうである。スーパーに買物に行ったり、ビデオ屋でフィルムを選んだりしたけれど、なんだか始終足のないような心地で、まあこういうトリップ感を味わえるなら入院も無駄ではないと思ったりした。
 さっそくビールを飲んだ。このあたりが分かれ目だという自覚はある。何の分かれ目かって人生のですよ。しかし味覚が病院仕様なのか、苦くてとても飲めなかった。驚天動地の事態である。もしこのまま酒が飲めなくなったらと想像してミゼラブルな気分になった。という話を友人にしたら、そういう不安を感じたことは幾度となくあったが、実際に飲めなくなることは絶対にないから安心するように、と慰められた。よし。
 ああ、愛しの我が健康。
DSC00148.JPG

投稿者 shiori : 22:11

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コメント

おかえりなさい! ご無事で何よりでござんす。

ありがとうございます!
もうすっかり元気です
遅れを取り戻すべく
はりきって飲んでおります

ちょっと見ぬうちに入院して退院しとったか!大変だったね。いつかまたシメイで乾杯しよう。トラピストだとオルバルが好き。

西国生活はいかがでしょうか
出張で時間の空いた折にはご一報を!

シメイには現地周辺でしか飲めない
シメイ・ブラックなる種があるようです
オルバルは今度飲んでみます

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