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2007年08月29日

カタカナ: エコー echo

 エコーとはギリシャのニンフの名前。たいそうおしゃべりな娘だったため、ある時口が災いしてゼウスの妻ヘラの怒りを買い、人の話した最後の言葉しか口にできなくなってしまった。そんなエコーは美青年ナルキッソスに恋をする。でも彼は自分の言葉をおうむ返しするエコーに腹を立て、彼女を追い払う。哀しみに暮れたエコーの身体はやせ細り、やがて声だけになってしまった。今でもほら穴や山の谷間に身をひそめ、人々の呼びかけに答えるのだった。
 というのがエコーの神話。(ナルキッソスはその後森の泉に映った自分に恋をして、身を焦がすあまり死んでしまう。ナルシストの語源)。echoとはギリシャ語で「繰り返し、模倣」の意である。
 音楽の分野でエコーというと、遅れて同じ音を鳴らすことで反響効果を得るエフェクトを指すが、エコーではなくディレイ(delay:遅らせる)と呼ぶことが多い。ディレイタイム、リピート回数、音量などを調節することで多種多様な音色が得られる。異なったディレイタイムのエコーを無数に重ねる効果をリバーヴと呼んだりもする。教会やお風呂はリバ−ヴ多め、反対にリバーヴ少なめ(デッドという)なのはレコーディングルームや狭い納戸など。話したそばから自分の声が消えていくので妙な感じがする。
 医学の分野でエコーというと超音波検査のこと。胎児の診断で経験した人も多いのではないだろうか。プローブと呼ばれるひげ剃りのような器具から超音波を発信して物体に当たって跳ね返った音波を受信、その時間を計算して映像化するという原理だ。現在の機械は扇状に音波を発信するので、リアルタイムで内部の画像が見られる。内部に気体があると解像度が落ちるので肺の検査には向かないが、放射線検査や内視鏡などと違って身体に負担がかからないのが最大の長所。

投稿者 shiori : 14:50

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