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2007年08月23日

日記: 入院六日目

 看護士さんには昼の人と夜の人がいて、毎日変わるので都合10名ほどと話す機会があったが、やはり人はそれぞれ、容姿や雰囲気はもちろん仕事のさばき方、口の利き方、どれをとっても千差万別だ。普通に生活していると、若い女性10人を同じ条件下で観察する機会なんてないので、かなり興味深い体験である。
 好みの話をすれば、10名のうちとても好ましいのは1人、好ましいのは2人、他7名は印象が薄い、という感じ。この比率は通常と変わらない。女の私でも一生懸命で可愛らしい子が担当になると嬉しいぐらいだから、男性患者はこういった看護士品定めが楽しみに違いない。病院てそれくらい暇なところ、とも言えるのだが。
 ところで、病院はこの「好み」というウェットな部分が重要な場所である。身体が悪いという時点でスタッフと患者は対等な関係ではないため、彼らも上からものを言うし患者も滅法有り難がる、それゆえ見過ごされがちだが、病院の本質は人気商売なのではないかと思う。患者は不安だから医者や看護士の一挙一動を注視する。そしてあの医師は不親切だとか、あの看護士は横柄だとか、少しでも気になることがあると身を預けるのをためらうし、その病院には二度と行かない。そういうものだ。
 これは祖母の介護に関わる人を見ていても感じることだけど、医療ミスが取沙汰されたり患者の権利を守る動きのある昨今、医療従事者は昔よりずいぶん腰が低くなった。しかしそれは患者のためではなく世情を受けてのこと、一応下手には出ておきますけどね、という雰囲気がまだまだ残っている。挨拶ばかり慇懃で仕事が雑な人は結構多い。しかし患者の目はそれを見抜けないほど節穴ではないし、そういう人ないし病院はいずれ自然淘汰されることになるのだろう。
 今日はもうすっかり元気。微熱は二週間くらいは続くのだそうだ。久しぶりに化粧を施す。痛くてしんどい時は髪はぼさぼさ、眉毛を描く気もおきなくて、眼鏡をかけたゾンビですがそれが何か、という心境だったが、ああ、元気になったのだなあ、と鏡を覗いて感じ入る。明日は退院の日。
DSC00138.JPG
IKEAで買ったデッサン人形

投稿者 shiori : 18:33

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