2007年07月29日
カタカナ: サイン sine
三角比である。
習ったのは確か高校一年の終わりだった。これが登場したあたりから群れからはぐれ、数学難民と化したのでよく覚えているのである。
sin2α=2sinαcosα、なんて式を目にしただけで塩をかけられたナメクジの態であった。そんなふうに嫌々なものだから当時は思いもしなかったけれど、実は三角比というのはなかなか便利である。
例えば、8mのビルの屋上に上がりたいんだけど、角度は50°つけるとして何mのはしごを持ってくれば足りるかしら、なんて問いに答えることができる。(sin50°を使って計算すると10.5mのはしごで足りることになる)
つまり直角三角形だと一辺の長さと一つの角度がわかっていれば残りの二辺の長さを求めることができるわけだ。直角三角形でないとしても、三つの辺と三つの角のうちいくつかの数値がわかれば残りを求めることができる。もちろん面積も割り出せるし、四角形、五角形にも応用できる。
世界最古の三角比の表は古代ギリシャの天文学者プトレイマイオスが作ったと言われている。当時から土地の測量や天体観測に使用されていたようだ。その後中世のアラビアを経て、再びヨーロッパに伝わり、現在のような三角関数の公式が整備されたのは18世紀に入ってからのことである。
語源をいうと、サイン(sine)はラテン語のsinus(湾)からきている。コサイン(cosine)はco-sine、サインを補うものという意味。タンジェント(tangent)はラテン語で「触れる」という動詞tangereに由来している。日本語だと、正弦、余弦、正接、になる。
投稿者 shiori : 00:44