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2007年07月10日

日記: 夢のあとさき

 ちょっといい夢を見た。
 小学校の時に好きだった男子と再会する夢である。
 A君は学校で一番足が速くて、お勉強もできて、女子にはぶっきらぼうで、ちょっといい感じの男子だった。ろくに口をきいたこともないのに私はぼうっとなっていて、遠くからじっとり見つめては「むふ」と胸を躍らせていた。そういう妄想的傾向は今も昔も変わらない。
 だからある時母から「A君ね、家であんたの話ばっかりしてるってお母さんが言ってたわよ、いひひ」と聞かされた時には嬉しくて失神しそうになった。軽く鼻血を垂らしていたかもしれない。12歳の時だ。
 まあしかしだからといって何をするわけでもなく、彼の出場するサッカーの試合をどこか遠くまで応援しに行ってその帰りに「ありがとう」「さようなら」と挨拶したのが唯一の思い出で、あれから20年、会うこともなければ思い出すことさえなかったのに、夢というのは奇妙なものだ。夢の中の彼は体格のいい精悍な顔の青年になっていて、私たちは夜の公園を並んで歩いていた。何を話したのかは覚えていない。
 私は助平なので、起きてすぐに彼の名前を検索した。某有名大学のアメフトのコーチをしていることがわかった。アメフトってところが実にいい。そそる。私は売れないジャズピアニスト。酒乱の夫にDVを受けて人生に嫌気がさしている。そんな二人が偶然街で出会って、再び恋に落ちて、ほっとけないよみたいなことになって……というお話でも書いたら売れるだろうか。昼メロっぽいやつ。

投稿者 shiori : 17:17

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