« 読み逃げ厳禁 | ホーム | 夢のあとさき »

2007年07月10日

カタカナ: ビデ bidet

 ヨーロッパのバスルームには相似形の便器が二つ並んでいて、私も初めて見た時、この便座のない小さいほうは何でしょう、と首をひねったものだ。多くの日本人が使い方のわからぬまま足を洗ったり、果物を冷やしたり、中には口をすすいだりした(ぎゃぼ……)人もいたという話だが、まあ習慣の違いとそういうものである。
 ビデは女性の陰部を洗浄する器具のこと。ヨーロッパではウォッシュレットが普及していないため(排泄と洗浄を一カ所で済ませるというのが生理的に受け付けないと聞いたことがある)今も昔もくだんの便器を使用している。ぬるま湯を溜めたビデ便器に用を足す時とは逆向きにまたがって手でぴちゃぴちゃとすすぐ、というのが正式な使い方である。ビデとはフランス語で乗馬用の子馬のこと。馬に乗るようにまたがることからその名がついたのだそうだ。
 郷に入りては郷に従えというのでもちろん私も使った。ビデ用のタオルなんかも用意されていて、衛生面が気になるもののバスタオルと大差ないと思い直してしっかり使った。とても気持よかった。ただ問題は一連の作業にえらく時間がかかること。朝の出がけにあんなことをしている暇はない、と考えるのはウォッシュレットの国、日本人の発想なのだろうか。
 日常的にウォッシュレットを使うようになってまだ10年にも満たないけれど、もうあれなしには暮らせない感じになってしまった。噴射する水に驚いて人の家の便所を水浸しにした日が懐かしい。最近では商業施設なんかにも設置されていて、まあ外で使うことはあまりないけれど、冬場に便座が温かいのはいいですね。
 そういえば不思議に思うことがある。外のウォッシュレットは9割の確率でシャワーの強さが最大になっているのだが、世の人はそんなに強い刺激を欲しているのだろうか。あんなに強う噴いたらもひとつ穴が空いてしまわへんやろか。

投稿者 shiori : 17:01

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://freedom.s13.xrea.com/blog/mt-tb.cgi/506

コメントを投稿