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2007年07月01日

カタカナ: ドレミ DoReMi

 初めて本物のドレミの歌(映画『サウンド・オブ・ミュージック』挿入歌)を聴いた時、外国でもドレミって言うんだとえらく驚いた記憶があるが、実はドレミはラテン語である。
 グレゴリオ聖歌の中に「ドレミの歌」的なものがあって、というのはつまり、フレーズ冒頭の音がCから一音ずつ上がっていくメロディに「どんなときも/レイオフを恐れず/見返りも求めず/ファインプレー/その男の名は……」というような歌詞(例えば、です)の曲だったので、その頭文字をとって音階をドレミファと呼ぼうと決めたのだった。まあいい加減と言えばいい加減である。11cのことだ。
 しかしドレミというのはあくまで音の名であって和音や調を表すことはできないので、音楽の現場で使用するのはクラシックであればツェーデーエーエフというドイツ音階、ポップスなんかだとCDEというアルファベット音階ということになる。ただ、口頭で伝える時はDやEやGは聞き違えることが多いので、確認の意味でレとかソとか言い直すことが多い。
 ハニホヘトという和名の音階もあるが、メインで使用する人はもうほとんどいないのではないか。でも音源や公演プログラムにはいまだに「ピアノ・ソナタ第16番 変ロ長調」と表記することになっているようで、ああ、B♭か、とわかるのに5秒くらいかかる。西暦と元号換算と同じくらい面倒である。
 ところで日本語版「ドレミの歌」だが、訳詩としてはかなり健闘していると思う。原詩では「Doe,a deer,a female deer/Ray,a drop of golden sun」というふうになっているが、日本語には英語のように一音で意味のある言葉が極めて少ない。でもそこを「ドはドーナツのド」とねじ伏せたところがブラボーである。「ソは青いそら」という外し方も憎い。誰が作ったのかと思ったらペギー葉山さんだった。

投稿者 shiori : 11:54

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