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2007年06月27日

日記: クシコシポスト

 ねえねえ、おばあちゃん、と声をかけても反応がないので「ちょいと、そこのお嬢さん」とか「八重子ばあさん」とか「八重蔵さん」とか色々と工夫をするのだが、まあそれでも反応があるとは限らない。しかし今日「姉さん、事件です!」と緊迫した声で言うと祖母は野太い声で「あん?」と返事した。やればできるじゃないか、と母に頭をなでなでされる祖母である。
 おむつも仏頂面で替えるよりは歌でも歌おうじゃないかということで、笑点とかインディー・ジョーンズとかハイジとか、まあ状況が状況なだけにどんな曲でもシュールに響いてなかなか笑える。クシコシポストなんかだと迅速に事が運びますしね。まあなんでもそうだが、私は愉しいのが好きだ。
 『悪童日記』だが、相当おもしろかった。三部作で続きがあるようなのでいずれ読むことになるだろう。1945年前後のハンガリーが舞台なのだが、同じく東欧(こちらはユーゴ)の映画監督エミール・クストリッツァに似通ったセンスがあったと思う。憎しみや哀しみや虚しさが笑いや酒やセックスに転化されそうでされきらない切なさが残る、といった感じか。『悪童日記』は小説という装置を最大限活用してそのことを語っているわけだが、双子の男の子が語り手だったり、あるいは章立てだったり、そういうアイディアが本当に素晴らしかった。要はアイディアなのだ。

投稿者 shiori : 11:49

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