2007年06月04日
日記: coming soon?
祖母の話である。今までにも「これはもう駄目かな」と覚悟をすることが何度もあって、その都度命は細るのだけれど消えはしなかった。まだ先があったのか、とうなる感じである。元を正せば身体が丈夫だから90まで生きているのであって、脳出血や脳梗塞を起こして身体が不自由になったとしても命に別状はない。それにもしばかでかい癌細胞があったとしても、進行が遅いのでどうってことない。ベッドの柵に足をぶつけて痣ができるほうがよほど問題である。
それでも最近ようやく死が見えてきたと思うのは、自分の唾を飲み込めずに咳き込むことが増えたからだ。今日なんて5時間くらい咳き込んでいてかわいそうだった。あれがふとした拍子に肺に入って肺炎を起こして死ぬというのが大往生のステレオタイプなのだそうで、すでに祖母の胸には雑音が聴こえているようだし、まああちらへ旅立つ日も遠くはない感じがする。あくまで感じがするだけなのだが。
夜は母と口論になった。結婚して家を出た娘にまだ何か?という感は否めないが、祖母と母もつい数年前まで激しい喧嘩をしていたので、母娘とはそんなものなのかもしれない。どんなに長引く口論であっても「どうしてあんたはそんなふうなんだ?」「いやだって、あなたとは違う人間ですから」以上の結論は得られないのが常だが、たとえそうであっても言いたいことを言わないよりは百倍良いと思っている。
投稿者 shiori : 09:34