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2007年06月14日

日記: can jump

 降ったり止んだりしていたが、夕方からざんざん本降りになった。iPODがあれば荒天も人混みも多少ましになる気がする。頼もしいやつである。今日はbabyfaceとbeethovenとbilly joelを聴いた。boatは入っていないので聴かなかった。
 伊藤比呂美さんの新刊『とげ抜き新巣鴨地蔵縁起』を買った。文芸誌に掲載されていたのを立ち読みしていて、早く単行本にならないかなと首を長くして待っていた本である。詩と小説の違いは様々言う人があるが、私にとっては「飛ぶ」か「飛ばない」かである。詩は飛ぶ。ひょいと飛んで思わぬところに着地したり、思っていたより少し手前で着地したり、詩を読む醍醐味とはそういう思考の飛行だと考えている。
 しかしそのぶん読者に強いるものが大きいので詩は売れない。詩を好んで読む人なんてパチンコ人口の1%にも満たないのではないだろうか。世の中でもっとも食えない職業は詩人だと言われる所以である。
 高校の同級生にお父さんが詩人という子がいた。その道では受賞経歴もある結構名のある詩人だ。それでも食えないから、ミステリーの翻訳とか(そういえばポール・オースターなんかも)をしていて、一日中家にいるようなことを言っていた。その話を聞いてものすごく羨ましかった覚えがある。彼女はその後東大で哲学を学び、ジャック・デリダなどを訳してご活躍と聞いている。やはり父が違った、と思う。

投稿者 shiori : 08:45

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