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2007年05月11日

カタカナ: モンブラン mont blanc

 もともとはフランスとイタリアの国境にそびえる山の名前である。標高は4,810m、形状が美しいことで知られる。仏語でmontは山、blancは白、何のことはない「白い山」という意味である。山頂がどちらに属するかで両国が揉めてきたという歴史があるが、永遠に軍配の上がらない試合をしている感あり。登山難易度はさほど高くないが、いっても雪山だし富士山よりはだいぶ高いので素人には無理である。仏側のふもとシャモニーは欧州有数のスキーリゾート。冬季オリンピック発祥の地でもある。現在ではモンブランの隣山に伊のアオスタ渓谷に続くケーブルカーが設置されていて、誰でも気軽に国境を行き来できるようになっている。スキー板を乗せて登り滑って下りることもできる。国境をまたいだスキー板のレンタルなんかもあって素敵である。
 その山を模して作られたのがケーキのモンブランである。自由が丘にある同名のケーキ屋が考案したと言われているが、カップケーキ型のスポンジ生地にホイップした生クリームを乗せてそれらを栗クリームでうずまき状に包み込む。女性に大人気の菓子だが、とにもかくにも甘すぎて私は苦手。
 雪山の形をあしらったホワイトスターをマークにしているのは万年筆メーカのモンブラン。ペン先には標高を示す4810という数字が刻印されている。フランスのメーカと思いきや、実はドイツの会社。私も一本持っているが(祖母に買ってもらった)、デザインがお洒落で眺めていても飽きない。さすが銘品である。
 最近は手書きする機会がめっきり減ったし、こと万年筆は手入れが大変なので、男の一品と言ってケースに入れて眺める人はあっても日常的に使う人はうんと少ないだろう。でもあれは楽器や包丁なんかと一緒で使ううちに手に馴染んでくるし、愛着もわいてくる。さらさらと気ままに落書きするもよし、要件を書き付けるもよし、筆をとると心が整えられていいことを思いつきそうな予感がする。

投稿者 shiori : 09:47

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