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2007年04月30日

カタカナ: パラシュート parachute

「スカイダイビングなどで使用されるパラシュートのパラの語源とは?
A:防ぐ B:開く C:傘状の D:落ちる
さあ、ど〜れだ」

『クイズ$ミリオネア』で観た問題である。
 クイズ番組というのは「蒲公英と書いて何と読む」とか「スリランカの首都はどこでしょう」とか、知らないと答えられない問題が圧倒的に多いのだが、この番組は4択だし知らなくてもどうにか解けそうな問題が比較的多かった。ちなみにこれは750万円の問題、堺正章は見事当てていた。
 あるいはシュートが何かわかれば簡単かもしれない。語源クイズの場合、同義語を列挙して意味を推理するというのが一番有効なやり方である。遊園地にあるのはウォーターシュートだ。ボートに乗ったまま急斜面を滑り落ちて、下の池に突進するあれである。今はどうか知らないけれど、豊島園にも八景島にもディズニーランドにもあった。ダストシュートというのもある。蓋を開けてゴミを捨てると階下の焼却場にどさっと落ちる仕組み。小学校や中学校の各階に設置されていた。開けるとゴミのすえた臭いが鼻を刺したものだ。またラブホテルの会計にもエアシュート式というのがある。お金を入れた筒をセットすると階下にいるおばちゃんの元に届き、おつりの入った筒が再び戻ってくる。つまりシュートは「落ちる」という意。
 しかしこの問題の難しい点は、パラ○○という言葉を列挙してもパラの意が定まらないところにある。パラサイト、パラボラ、パラレル、パラドクス、パラリンピック、パラソル……、実はpara-には複数の意があって、パラサイト、パラボラ、パラレルのパラは「そばに」、パラドクスのパラは「反対の」、パラリンピックのパラは「脳性麻痺の」、パラソルのパラは「防ぐ」、といった具合なのである。踊るパラパラももちろん違う。
 太陽(sol)を防ぐパラソル、落ちるのを防ぐパラシュート、となるわけなのだが、知らなければ「B:開く」も怪しいし「C:傘状の」も一理あるようだし、結局は勘が頼りということか。

投稿者 shiori : 11:57

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