2007年03月31日
カタカナ: ソナタ sonata
イタリア語で「演奏されるもの」、カンタータ(cantata)つまり歌曲に対して器楽曲というシンプルな意で使われ始めた言葉だったが、ハイドン、モーツァルト、ベートベン、いわゆる古典派の登場とともに三楽章あるいは四楽章で成り立つ曲を指すようになった。ソナチネとは小規模のソナタのこと。
ピアノソナタ、ヴァイオリンソナタ、チェロソナタなど、各種楽器用のソナタが作曲されているが、基本的に独奏あるいはピアノとの二重奏のみをソナタと呼ぶ。オーケストラのためのソナタは交響曲(symphony)、オーケストラと独奏楽器のためのものは協奏曲(concerto)という。
色々とルールが多いゆえに敬遠されがちなクラシックだが、そのルールがあるからこそ長大な曲も散漫にならずに済んでいるとも言える。例えばこのソナタだが、一楽章は早いテンポで、二楽章はメロディアスなゆったりとした曲、三楽章は三拍子の舞曲調、四楽章は再び急速な曲、というルールがある。今ここで詳しくは述べないけれど、各楽章内でもAメロからAメロに似たBメロにいってもう一度Aメロに戻れだとかいう細かいルールもある。おそらくもっともおさまりのよい形式だったので定着したのだろう。
形式があったほうが聞きやすいことは確かだが、それがいいのかどうかは人によるのだろう。自由にやりたいと形式を捨てる人もいるし、形式の中で自由を模索する人もいる。どんな芸術でもそうだけれど、形式と自由のはざまで葛藤するうちに名作が生まれるのだ。
ところで『冬のソナタ』ってなんでしょ。ソナタ『冬』なのか、冬っぽいソナタなのか、というかソナタに形容詞をつけるのはいうなれば「香ばしい前置詞」とか「春のポンびき」とかいう類いで、まあいいんですけど考えると可笑しい。
投稿者 shiori : 12:27