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2007年03月11日

カタカナ: リアス式海岸

 日本だと岩手の三陸海岸や若狭湾や志摩半島などが有名である。海岸線が鋸の刃のように入り組んでいる場所を指す。英語ではそのままsaw-toothed coastlineと呼ぶ。
 地殻変動で沈んだ陸地に海水が流れ込み長年の浸食の末にあんな格好になったとか、氷河期終結による海面の上昇の結果とか言われているが、いずれにしても水深が深く外部から近づきにくいため舞鶴のように軍港として機能したり、魚介類の良い住処になり英虞湾のように真珠の養殖に適していたりする。逆に津波の被害が大きかったり、いきなり断崖絶壁になっている箇所も多く、陸地側は色々と不便である。
 リアとはスペイン語で入り江の意。スペイン北西部にリアスバハス海岸にちなんでリアス式と命名されたらしい。スペイン巡礼のゴール地点であるサンティアゴ・デ・コンポステイラはこの海岸から少し内陸に入ったところに位置していて、魚介類が美味しいという風評も頷ける。
 それにしても地図を眺めていて思うのは、日本の海岸線は複雑でおもしろい。瀬戸内海に浮かぶ塵のような島々や長崎のあたりはぶちまけられたジグゾーパズルのようだと思えば、一方では九十九里とか北海道とかは馬鹿みたいにまっすぐな海岸線で、なんとなく鼻の下がのびたおじさんのようで笑える。高知県のくびれはなかなか格好がいいとか薩摩半島よりは下北半島のほうが好きだとか、地図帳とはかようにいつまで見ても飽きない本である。

投稿者 shiori : 13:05

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