2007年02月16日
日記: オイハギ
確定申告の季節である。私のような業務形態の者にとっては踏ん張りどころ、払い過ぎた税金を是が非でも取り返さなくてはいけない。
ある仕事を請け負ったとしよう。「ギャラは5並びでお願いします」と言われれば紙に￥55,555と記載して請求をたてる。それなのに実際の送金額は￥50,000、￥5,555が忽然と消えているのである。なぜか。
お金の運搬中オギヤハギ、ではなくオイハギに遭い、総額の10%をよこせと脅されて差し出してしまったのである。それでもオイハギも人の子、春が近づくと悔悛の心が芽生えるのだろう、お前がどれだけ窮しているのか詳らかに述べればお金を返してやってもよいという。
それで私は涙ながらに訴える、ああ、どうぞ聞いてやってくださいまし、ステージに立つためにこれだけの服飾代がかかりました、歌詞を考えるためにこれだけの書籍を購入し、執筆するための文房具代がこちら、電気をつけないと字も書けないので光熱費がこんなにかかってしまいました、いえ、今回の作品は大作なんですよ、歌の練習のためにピアノも買いました、歌い過ぎて喉を壊してかかった医療費がこれくらい、嘘じゃありません、ほらこのレシートの山をご覧ください、ね、まったくこんなに経費がかさんでしまって歌なんか歌ったって貧乏するばかりです、見てくださいこのほつれた髪にこけた頬、ああ、旦那様、ここはひとつお金を返してはくれませんか。
するとオイハギも目に涙をためて、そなたのような貧乏人から金を奪ったりして悪かった、と土下座して￥5,555を返してくれるのである。土下座するわりには財布の紐が固く多めに返してくれるようなことはないが、ケチは死ぬまでケチというので仕方がないのだろう、私も返金を素直に喜んでまた一年がんばろうと思いも新たにしたところで一件落着である。
くだらない寸劇に飽き飽きして確定申告を怠るとオイハギの一人勝ち、年収が200万円あったとしたら20万円をふいにすることになるので、毎年がんばらなくてはいけないのである。
前置きが長くなったが、今日はそんなわけで税務署に行ってきた。書類が足りなくて提出できず。相当めげそうになったが、葡萄酒何本分に相当するかをイメトレして再び臨む所存である。
投稿者 shiori : 11:37
コメント
確定申告や、問題は。
転勤で自宅を人に貸したままなので、オイハギからすると、それは不動産収入ということになる。
管理費とかローン返済分のうち利子相当分だけは経費と認められるが、そのロジックだと確実に利潤が出ることになり、その分に所得税が。
半休とって激混みの税務署に行って並んで、で、挙句に、返してもらうどころかその不動産所得に対する追加の税金の納付書をもらってくるのですよ！ え！ただでさえサラリーマンは完璧ガラス張りだっちゅうに。
ふん、そんなはした金耳をそろえて払ったるわいなと、プチブル気分でも味合わないとやるせないこの季節。
せめて激込みかつ殺伐とした税務署に行かないで住むように、ベッキーちゃんが宣伝しとるE-TAXなるインターネット経由で申告できるやつでもやってみるかと調べたところ、案の定Macでは出来ん、まず住基ネットのカードになんちゃらを書き込んでもらって、そのカードを読み込むための装置を買ってPCに差してと、絵に描いたようなお役所仕事。まあ、世の中の流れですからねえ、ひとつインターネットでも申告できるようにするのはいかがと。いや、しかし課長、皆がインターネットで申告してしまったら、我々税務署員の仕事が減ってしまうではないですか。バイトの人たちとの定例の親睦ボーリング大会も中止にということになりますと、予算もその分カットという按配で、いかがなものかと。いや、主任補佐、心配には及ばんよ。まあ、例によって、一応その気になれば出来なくもないですよという程度にやっておけば、ね。ああ、そうでした課長。私としたことが、早速富士通の滑川さんに電話して、いつもの感じでやってもらうようにしますよ。よろしい、おおいかんいかん、もう11時45分じゃないか。昼休み前の整理整頓時間に入ってしまっている。すみません、課長、すぐに席に戻って消しゴムとホチキスを定位置に戻します。今日は私が鉛筆削りのカス捨て当番でした！
っていうかんじ？
投稿者: まつば | 2007年02月21日 22:43
あはは、おもしろく読ませて頂きました
「あっ、また書き込みがある！」と大はしゃぎの昨今です
とにかく役所関係のことって融通が利かないのも頭にきますが
言葉や内容が難しくて頭をかきむしりたくなります
手数料を払ってプロに任せたくなる気持はわかりますが
考えてみればそんな難解なシステムのまま放置しているのも不親切で
せめて義務教育にそういう授業を組み込んでほしい
というのが私の所感です
投稿者: しおり | 2007年02月23日 11:57