2007年02月05日
日記: しおりの謎
朝出がけのことである。家人が私の本棚を物色している。電車で読むための薄くておもしろい文庫本(小説に限る)を探していたようで、村上龍も中島らもも読んじゃったしなあ、と困った様子である。趣味が重なる領域は極めて狭いので仕方ないのだけれど、じゃあ村上春樹でも読んでみるかと呟くのを聞いて、私は慌てて「いや、止めたほうがいいと思う」と言った。理由はよくわからないが、想像したらこそばゆかったのである。それで私が「ほら、これにすれば」と押し付けたのは太宰の『ヴィヨンの妻』、家人は本をしげしげと眺めて「しおりがついてるからむつかしい本だね」と言った。
なんだ、その因果関係は。と首をひねって、ああそうか、しおりがついているのは新潮文庫だけなのだ、と思い当たり、実際に本棚を調べるとその通りだった。
http://www.1101.com/shincho/05-04-18.html
とネットにもあった。
ちなみに私の本棚で圧倒的に多いのがこの新潮文庫、全体の約6割を占めていて、二番手に講談社文庫と文春文庫、そして岩波文庫と続いている。家人の本棚をのぞくと集英社文庫の多さが目を引くが、これはひとえに北方謙三の本を買い集めていることに起因している。
今日はそのコレクションに花を添えるべく、北方水滸伝全19巻+読本+地図+北方直筆サイン色紙セット(集英社)をプレゼントした。素頓狂な声をあげて喜んでおられた。少し早いが、誕生祝いである。
投稿者 shiori : 11:14