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2007年01月25日

日記: broken flowers

 ジム・ジャームッシュ『ブロークン・フラワーズ』という映画を鑑賞。これだからまた映画を見たくなってしまう、という作品だった。実のところ今までこの監督にはさほど興味がなくて、というのも『ストレンジャー・ザン・パラダイス』『ナイト・オン・ザ・プラネット』『イヤー・オブ・ザ・ホース』(ニール・ヤングの映画)を観て、それぞれ一作品としてはおもしろいのだけれど、この人の作品をまた観ようと気にならなかった。刺激が頭止まりで身体にまで行き渡らない感じ、と言えばよいだろうか。
 でもこの作品は身体にじんじんきた。興行的にはまずふるわないだろうし、結局何なのよと不満を感じる人も多いことだろう。でもこういう人生に正直な映画を作るのは、大ヒット映画を作るのと同じくらい難しいかもしれない。作り手の深い洞察にしびれる映画だった。
 最近の映画は原作ありきの傾向にあって、それはそれで他人の曲を自分流に歌いこなす手腕が問われるから大変なのだろうが、やはり私は監督が脚本を書いている映画が好きだ。原作があるならわざわざ映像化しなくても本を読めばいいのだし、その人の持つ言葉やイメージがどんな映像になるのか知りたくて映画を見ているからだ。
 もし映画監督だったら全部自分でやりたいと思うだろうに、あるいは脚本を書いてもいいとされるのは一握りの人だけなんだろうか。そのあたりの事情はわからないがとにかく、ジム・ジャームッシュは脚本も素晴らしかった。そういえば作品はまだ見ていないのだけれど、自作の脚本を監督している西川美和さんにも期待している。私と同じ年の美人監督、ソフィア・コッポラを押しのけてのしあがって欲しい。

投稿者 shiori : 15:12

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コメント

ブロークンフラワーズは劇場に見に行きましたよ。
シャロンストーンの娘役の娘にやられました笑。

ははは、あのくねくね親子自体よかったです
バスローブがアイテム的に冴えていましたね
ロゼシャンパンなど

ジャームッシュ好きです。
ダウンバイローが特に。(古いよ)
ナイトオンザプラネットはカウリスマキへの敬意溢れる
ヘルシンキ編がよいですよね。

ここ10年くらい劇場から遠ざかっていて、彼の映画も観てないのですが、
今年はたくさん観たいものです。

そういえば『ブロークン・フラワーズ』
カウリスマキの『過去のない男』に若干似ています
ジャームッシュのほうがさらにドライですが
ダウンバイロー、観たいのだけどいつも貸出中なのです

Thank you,charlie!

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