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2006年12月09日

日記: ヴァーチャルフォン

 家人と私はそれぞれ机を持っていて、それぞれパソコンを広げてそれぞれ愚にもつかぬことをやっているわけだけれど、その机というのがちょうど図書館のように背中合わせに配置されていて、お互いの姿は見えないようになっている。人が何かに集中する姿は醜い。胡座を組んだり、貧乏揺すりをしたり、鼻に指を突っ込んだり、尻を掻いたり、奇声を発したり、まあ私はそんなことしませんけどねおほほ、ひどいものなのだ。だからこの配置は正解だったといつもほくそ笑む。
 顔を見ずに話ができるというのもいい。向き合って話をすると五感を総動員しなくてはならず、片手間に済ますというわけにもいかない。以前にも書いたけれど、私は食事時以外の会話を必要としていないので、こうやって社内電話のようにクールに話せるのがバッチグウである。私の大好きな森先生と奥さんは日中それぞれ別室で作業をしていて、出かける時はリビングで待ち合わせをしたり、内線で用件を話したりしているそうだ。理想的である。
 そういうわけで「今晩何作る」「キムチ鍋と、あと何にしよう」とヴァーチャルフォンで打合せを済ませたのち、買い物に行き、料理を作り、客人を迎えた。彼女は私よりも酒好きな数少ない友人で、最近は清酒に凝っているとか、挙句、清酒バーでバイトを始めたそうだ。特にそういう類いの夢があるわけではなく、ただ清酒が飲みたくて、とのことだった。ちなみに彼女はれっきとした会社員である。今日は三人でビール半ダースとワイン3本を開けた。雨がそぼ降り、底冷えのする夜だった。

投稿者 shiori : 09:40

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