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2006年12月07日

日記: chanter une chanson

 新しい歌唱練習法を編み出した。(などと書くといかにもアレで、さぞかしアレに聞こえるけれども、まあそのあたりはナニしてもらって、せっかくなのでね、書かせてもらいますよ)童謡でもポップスでも曲は何でもいいのだが、自分のよく使用する音域にモジュレイトしたものを、口を「ア」の形に開けて歌詞なしで歌うのである。その時に音程と声質を一定に保つのが重要である。十六分音符4つが四分音符1つに聞こえてはいけない。地声で歌っていて、ソから上はいきなり裏声になるなんてのもいけない。これが難しいのである。とても他人に聞かせられるような代物ではない。まるでジャイアンである。口の形を「ウ」にした場合は息の量を節約できるが、「ア」にすると窓を開け放って暖房をつけるようなもので、なかなか安定した太い声は出ない。一番負荷のかかる状態で練習しておけば、と目論んでいるわけだが、さあどうなんでしょうか。
 その後、せっかく喉も馴らしたことだし、あなたも寝てばかりで退屈でしょう、一曲いかがですか、と祖母に歌を押し売ることにして、さっそく今日は『椰子の実』と『里の秋』を歌った。謎の声をあげて意外にも喜んだので、続けようと思う。クリスマスも近いので、歌う曲には事欠かない季節である。
 祖母は滅多に歌を歌わない人だった。4年ほど一緒に暮らしているけれど、耳にした記憶は4回しかない。水戸黄門の主題歌をテレビに合わせて口ずさんでいたのが一回、寝しなに「は〜かのした〜」と軍歌らしきものを歌っていたのが一回、誰もいないと思ったのか、渋い表情で「はるこ〜お〜ろ〜お〜の〜」と『荒城の月』を熱唱していたのが一回、天理教の歌を手を振り振り8番くらいまで歌ってくれたのが一回、どれも相当おもしろかった。以前「女優と歌手やったら、どっちになりたい?」と聞いたら「……歌手じゃろか?」と答え、訳を尋ねると「打ち込めそうなわい」と平然と言っていた。素敵な回答である。

投稿者 shiori : 09:07

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