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2006年10月14日

日記: ロールプレイ

 大ちゃんの両親とおばさんが訪ねてきてくれた。私の実家にも立ち寄ってくれたのだが、母が上品ぶっていておかしかった。水道水ではなくミネラルウォーターでお茶を沸かしたり、普段はあまり飲ませてくれないとっておきの茶葉をふんだんに使っていたり、ブラックなつっこみを控えめにしたり、やればできるようなのだった。
 大ちゃんは大ちゃんでこれまた両親の前だと頼りがいのあるしっかりした息子モードになり、口調も少々偉そうになり、両親やおばさんはそれを頼もしいと感じている様子で、そういうのを見ると何だかくすぐったくて笑ってしまうのだけれど(失敬)、家族、いや人間関係というのはある種のロールプレイを前提に機能していると感じ入るのだった。
 むろん私の家族にもロールプレイはあった。ただこちらの場合はかなり殺伐としていて、というのも「楽しくないのになぜ笑うのですか」だの「あの人と話している時のお母さんは嫌いです」だの、ロールプレイを紛糾するロールプレイを行ってきたのである。
 ずいぶん利己的で非寛容な話なのだが、そういう私からしてみれば、たとえば大ちゃん家族のロールプレイを奇異に感じるのは当然なのであって(逆も真である)、それでもそれを価値判断するべきではないというのは結婚して学んだことのひとつである。結局のところ、賛成も反対もできないのだ。だから二人で新しいものを作る。二人の気に入る新しい家庭を作るのだと思う。
 大ちゃんの両親とおばさんに手料理をふるまった。オニオングラタンスープが好評。二次会のビデオを是非見せてほしいと乞われたので、まあ見せたわけだけれど、義母に「しおりさんて……こういう人だったの……」と言われて、その指示形容詞が何を意味しているのか追求するのは野暮というものです、「おほほ、まあお互い過去はあったりなかったり、おほほほほ」とシャンパンをしこたま飲んで、再び目を丸くされたお嫁ちゃん、いくら母さんが上品ぶっても無駄なのだった。

投稿者 shiori : 16:54

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