2006年08月30日
日記: 予行演習
デュエットをしなさいという友人らのそそのかしを真に受けて披露宴で二重唱をすることになったのだけれど、デュエット曲というのは案外難しくて選曲に苦戦した。マーヴィン・ゲイとタミ・テレルの曲なんかはどうかと提案したが難易度と知名度により却下、最悪『愛と青春の旅立ち』でもいいかというレベルまで落ち込んだが、『ワンダフル・ワールド』という強い見方を得てなんとか持ち堪えた。
サイモン&ガーファンクルとジェイムス・テイラーの歌うそれはなかなかしっとりとしたアレンジで、ジェイムス・テイラーってああいうのを歌わせたら天下一品、柔らかくしなるわっぱのような声でしびれるのだが、それを僕らがやるとなると色々と支障が生じて実に難儀だなあ。
観客がいないのもなんなので、祖母に聴いてもらった。車椅子に乗って目をきらきら輝かせてぱちぱちぱちと三回手を叩くのを見て、涙がにじんだ。当日は親戚一同皆出払ってしまうので、祖母は老人ホームにお泊まり予定。その旨を告げると「どおしてあたしはいけんの」と顔を歪めた。行く気やったんか、と少々驚いたが、まあやるせない話である。脳梗塞があと三ヶ月遅ければ。
投稿者 shiori : 09:54