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2006年08月23日

日記: a mere daily report

 大ちゃんが「どうしてみんなブログをやるんだろう」と首をかしげるので、どうして大ちゃんはやらないの、と問い返すと「だって何書くのよ」という明快な答えが返ってきた。書くことのある人は書くし、ない人は書かない。これが基本だろう。そもそもこの線引きは宿命的というか、書く人は戦火のさなかにあったって書くだろうし、書かない人は脅されでもしない限り筆をとらないものだ。しかしここにきて、というのはインタネットの普及うんぬんのことだが、この線引きは崩壊しつつあり、「書きたい人は書くし、書きたくない人は書かない」という新たな状態に移行しているように感じる。書くことがあるとかないとかいう話ではなくなったわけだ。
 結果、書く人が激増した。これは単純によいことだと思う。意思疎通や脳の活性化という観点から考えても書くのはよい動作だし、また、コッポラはビデオカメラの普及を大喜びしていたけれど、機会が増えればいい作品が生まれる機会も増えるわけで、面白い本や映画を期待できるのもよい。
 しかしながら、面白いものを書くことのできる人はほんの一握りで、自分を含めて大半は、今日の晩ご飯だの観た映画だの会った人だのと日報を書くことになる。本人としては備忘録にもなるし、遠方に住まう友に無事を知らせることにもなるし、例えば「今日は睡眠薬を二つ追加した」と不特定多数に報告することで何らかの安心が得られる場合もあるだろう、日報も悪いことはない。読む側が面白くないだけである。
 ならば読まなければいいというのがブログの大変良い点なのだが、執筆している側としては、人のふり見て我がふり直せ、気をつけねばならないと自戒することが多い。面白いか面白くないかは所詮他人の言うことなので仕様がないが、仮にも自分の作品を人目にさらすつもりならサービス精神だけは忘れてはいけないと思う。考えなしに書くことは、茶の一杯も出さずに客人を追い払うことなのだ。
 ちなみに大ちゃんが私のブログに関してコメントすることは一切ない。ブログの存在を知っているとは思うが、読んでいるかどうかは不明、こちらにしたところで「今日の日記、嘘書いたでしょ」などと指摘されても困るので助かっている。今後もノーコメント希望。

投稿者 shiori : 15:18

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