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2006年06月20日

日記: 接吻

 近所のスーパーに買い物に行ったら、野菜棚の中央、洋物の青菜が並べてあるあたりで、西洋人の男と日本人の女がしたたか接吻していた。そのそばに混血児がいたので、二人はおそらく夫婦である。ずいぶん長いこと、口唇の角度を変化させながら、二人は接吻し続けていて、しかし子供は二人に目をくれることなくカートに乗って遊んでいたので、なるほど、これは日常茶飯事というやつだと思った。ほどなくして二人は離れ、女は何事もなかったかのようにトマトを選び、男は子供の乗ったカートを押して肉売り場に向かった。
 私はこの状況を興味深く眺めていたのだけれど、それは夕方のことで店内はわりと混雑していたはずなのに、じっと見ていたのは私だけ、みな目を逸らして通り過ぎて行く。本人たちは見て欲しいのだから遠慮せずに見てやればいいのに、と思ったのには理由があって、女のほうが私の視線に気付いた時にえらく誇らしげな表情を投げてよこしたからなのだが、何が誇らしいのかは謎、というのは嘘で本当はよくわかっていてつまり、She is proud of being wife of the man, who is not yellow but white and has boldness to kiss deeply in public , I guess.
 まあこの世には様々なつがいがいたものよ、あたしゃ毛唐人はごめんだけど何にしたって自分の結婚に満足できるのは素晴らしいことさね、ところで大ちゃん、外人さんと結婚するのはどうですか?と聞くと「全然平気だよ」とこともなげにいうので、へ〜、なんで?、と驚くと「だって、しおりちゃんも外人みたいもんだし」という答えが返ってきたのだった。

投稿者 shiori : 18:00

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