« be natural | ホーム | 接吻 »

2006年06月18日

日記: family affair

 単身赴任中の父は出張だかなんだか月に1、2回の割合で週末をこちらで過ごすのだが、その度に私たちと一緒にご飯を食べたがるのが問題である。「無理は言わないけれど、土曜か日曜に大ちゃんと一緒にご飯食べに来ないかなあ、来てくれたら嬉しいなあ」と必ず言う。またかよ、と私は必ず思う。何でも美味しいものを御馳走するし、そちらの食費も浮くだろうし、ね、ね、などと食い下がるので「でも、大ちゃんも忙しいみたいだしわかんないなあ」と適当にぼやかすと、そっか、としゅんとする。なんだか私が悪い事をしたみたいではないかと苛立ちながら「まあ、聞いてみるけどさ」と言い直す。「うん、聞いてみてよ」と父の顔は明るくなり、「だけど大ちゃんはうちに来るの、そんなに嫌がっているようには見えないけどなあ」などとのんきなことを言う。邪気のない人はこれだから面倒である。
 相手の実家に行って楽しくて仕方ないなんて話は少なくとも私は聞いた事がないし、実際に自分が体験してみても、ある種の疲れは否めないというのが本音である。もちろん嫌なわけではないし、仮に嫌だったとしても結婚した以上それは我慢しなくてはいけない。だからそのあたりの塩梅はお互い気を使って、どちらかの実家を偏重することのないよう工夫しないと夫婦はうまくいかないように思う。
 しかし私の実家近くに住んでいるという時点でその均衡は大きく崩れているし、あまつさえ月に一回の食事となれば申し訳ないの一点であって、かといって父の「しゅん」も気になるし、ああうっとうしいわあ、なんとかならんのあのおっさん、と母に言うと「あんた今までこんなに勝手して好きなことしかやってきてないんだから、それぐらい苦労しなさい、あたし、知らない、おほほ」と一笑に付されたのだった。おほほ。
 という一部始終を大ちゃんに報告すると「全然嫌じゃないよ、行こうよ」とあっさり言ってくれたので、今日は実家で寿司を食べた。父は大喜びだった。

投稿者 shiori : 11:12

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://freedom.s13.xrea.com/blog/mt-tb.cgi/245

コメントを投稿