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2006年05月13日

日記: various jobs 3 ドトール

 誰でも一度は勤めたことがあろうジャンクフード店だが、私の場合はドトールコーヒーであった。当時(19歳)は新宿に住んでいたのだからバイト先など腐るほどあっただろうになぜドトール、お洒落な伊料理屋やアフリカ料理屋が近所にたくさんあったのになぜドトール、と悔やまれて仕方ないのだけれど、当時は今ほど食い道楽ではなかったうえ、それなりに純☆だった私、あくまでそれなりなのだがとにかく、同年代のいそうなチェーン店でしか恐ろしいて働けなかったとです。
 勤務することになったドトール新宿西口店はオープンしたての三階建て店鋪、さすが繁華街だけあって客足は途絶えない。ブレンド、ジャーマン、入ります!とか、ミラノサンドCでお待ちのお客様!とかなんんとか、こちらも景気よく客をさばいていたのだけれど、結果から言えばこの仕事も三ヶ月足らずで辞めることになった。同僚にいじめられたからである。
 どんな仕事でもそうだけれど、ボスとその腰巾着どもが幅を利かせているというのはよくある話だ。かねてより私はそういうやからと折り合いが悪く、ついうっかり余計なことを言ってしまってねちねちいじめられるケースが多々、ああ、思えばかれこれいじめられたものです、小学校の担任、中学の数学教師、男子バスケ部顧問、バスケ部部長、最初は私が従順に見えるのだろう、ずいぶん可愛がられるのだけれど彼らはある時はたと気付くのだ、「あれ、こいつ、俺のこと尊敬してない」、すると、だましやがったなと言わんばかりに激しく豹変してああ恐ろしい、とかいちゃってまあ私も悪いんですけど。おほほ。
 話は戻るけれど、ドトール新宿西口店のボスはHという美男子であった。当初は親切に色々教えてくれて助かったのだけれど、実にしたり顔、というのは自分の美貌に関してなのだが、事あるたびに誰それに似てるって言われるだのふった女のことだの、しまいには「実はタレント事務所に所属してる」などと打ち明けるので、にんまりして思わず「手タレですか?」と聞き返した私が悪いのでしょうか、以来口もきいてもらえず、「あのイワミって子、すごく嫌なやつだからみんなで無視しよう」と休憩室で悪巧みされるわ、最終的にはシフトに入れてもらえなくなるわ(Hが裏店長だったのだ)、辞職に追い込まれた吠えたガールなのだった。
 という話をすると、適当にあしらっておかないか、と呆れられるのだがそうもいかない、なんとなればHのような人間には根本的に興味があるし、そもそも嫌いなわけではない。あの数学教師のことだって、バスケ部顧問のことだって、ずいぶんひどいことをされたけれど嫌いではなかった。だってアナタ、アタシにこんなに執着して、まあかわいい、アタシに興味があるのね、うふふ、やっぱりアナタのこと嫌いになれないわ、とどこまでも鼻持ちならないあたりがいじめられる原因ではなかったかと。
 そんなこともあったと思ったり思わなかったり、時々ドトールでブレンドを飲む私。

投稿者 shiori : 12:05

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