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2005年10月06日

日記: 10/6

Mさんと一緒にポルトガルから一時帰国しているCさんとその息子(1)に会いにいく。私たちは10年前から女の幸せと不幸せについてできる限り具体的に話し合って泣いて笑ってきた仲なので、Cさんが息子を抱く姿は感動もひとしおである。ベッドで跳ね回る彼を尻目に、お互いの現状報告など13時からノンストップトーキング、まだまだいけるぜと思いつつ21時散会。
この数日仙台の叔母が祖母の面倒を見てくれているので助かっている。しかし祖母は母も私もいないとなるとひどく不安になるようで、家中をうろうろ歩き回って「いつ帰る?」と30回は聞くそうだ。今日も帰ると祖母は暗闇で目をぱっちり開けたまま、毛布を握りしめてベッドのはじで小さくなっていた。
いちいち気にしていたら身がもたないので措置を講ずる気はないけれど、老人の不安な様子は母を探す子供のそれと同じくらい切実だ。しかし子供よりも暗くて湿っていて、人を憂鬱にさせる。母は子を捨てたりしないけれど、子は母を捨てる可能性のあることを知っている顔だからと思う。
人生のはじっことはじっこをいっぺんに見て今日はお腹いっぱい。

時計を見るとまた1時50分だった。午前であれ午後であれ「おっと、いけない」と慌てる時間だ。午前ならば寝なきゃいけないし、自宅にいる午後なら何かに取りかからなきゃいけない。そこをないがしろにすると一日が台なしになってしまういわばデッドラインのような時間だ。少々の眠気と倦怠を感じながら重い腰をあげるというのが私の過ごし方なのだが、仮に午後1時50分で世界を輪切りにしてみると、
Aさんはラーメンにどっさりのった葱を平らげたため口臭を気にしつつ引き続きおもしろくもないエクセル文書作成に励み、先ほど目覚めたばかりのBさんは二日酔いの頭で横でしなを作るこの女(29)とはもう会わないだろうとぼんやりと思い、息子が夜泣きしてほとんど寝ていないCさんは徹子の部屋に出演中の若手女優(貧乳)が発作的に憎くなりリモコンを投げつけ、Dさんはピアノに向かいもうすぐ完成するであろうこの曲(エルトンジョン風)は名曲かもしれないと小鼻を膨らませ、上司の要領を得ないしゃべりを聞き流しながらEさんは昨晩の妻との味気ない交わり(妻はもちろんイかなかった)を思い出して経理課のマリちゃんにちらちら目を走らせ・・・
世界はなんて混沌として猥雑なんだ!byシェイクスピア、というよりは私の世界観の問題という気がしますが、ところであなたは午後1時50分をどうお過ごしでしたか?

投稿者 shiori : 11:28

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