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2005年10月30日

日記: 10/30

肉体であれ精神であれ、自分の痛みを人に説明するのはとても難しくて、という以前にどんなに首尾よく説明したところで「あなたと私は別個の人間」である限り完璧な理解というのはありえないわけで、こんなに辛いんですと陳情するのもあさはかだし、痛みに苦しむ相手に痛みの質や量を理解した気になって慰めるのもうすっぺらい。本物の優しさっていうのは相手の幸せを本気で祈りながら自分は自分のことをしっかりやるってことなのだ。そのことをよくわかってないテキトーな人がたくさんいて、時々腹立たしくなる。
という基本事項を了解したうえで、痛みについておしゃべりするのは楽しい。過ぎ去ってきちんと消化された精神的苦痛や命に別条のない肉体的苦痛は格好の笑いネタともいえるわけで、なかなか盛り上がるのだった。

ちなみに男性相手に生理の話をするのも好きである(←悪趣味)。なにせ全く理解できないけれど興味がなくはないという姿勢がなんともいい。
「腰が割れるように痛いの」
「割れるように、へ〜」
「血もたくさん出るよ、だから貧血っぽくて眠いし」
「たくさん、てどれくらい?」
「もうそりゃたくさんだよ、あ、今度見る?」
「・・・」
という具合に調子づくことになる。妊娠、出産なんて経験したひにはどれだけのことを話せばいいのか、想像するだけでわくわくする。でも残念ながらこちらがわくわくするほど、男性は興味がないのも知っている。私がもし男なら出産現場は土下座してでも見せてほしいけれど世の男性は女性から頼まれて立ち会うケースが多いらしいし、色々と変化の多いぶん男性より余計に身体に興味があるのだろうと思う。
生理は痛いし面倒だし頭にくることもあるけれど、月経とはよく言ったものでひと月かけてさりげなく身体が変化して生理になって一区切り、生まれ変わるような感覚がとてもいい。そういうゆったりとしたリズムを感じて生きているんだなあと思う。
そこが男性と大きく違うところだ。マラソンに例えるなら、女性は今自分がどのあたりを走っているのか何も見なくても見当がつくけれど、男性はそういうわけにはいかないので時計や風景を見たり人に聞いたり「社会的な」動きをして位置確認をするんじゃないだろうか。男ってずいぶん不安な生き物だな・・・それでも今度生まれたら男をやってみたいなあ。

投稿者 shiori : 11:17

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