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2005年08月02日

日記: 8/2

母が父の待つ宮崎へひらひらと飛んで行ってしまったので、おばあちゃんと二人っきりになった。出かけに母が「しおりさんの言うこと、よう聞くんよ、野菜もきちんと食べるんよ」と言い聞かせると「いつ帰るん?あした?あさって?」と口をへの字に曲げる祖母であった。麗しいほどの幼児がえりなのだった。
ふと家の中を見回すと、トイレットペーパーも箱ティッシュもシャンプーも台所洗剤も肉も魚も卵もお菓子もなかったので買い出しに行く。ぼんぼん後先考えずにかごに放り込んでいったら、一人では持ちきれないほどの荷物になった。というか比喩ではなく本当に持ちきれなかったのだ。でもそこはなんとか知恵をしぼって、自転車のかごに買い物袋を芸術的に積みあげ、左手人さし指にトイペを、中指に箱Tをひっかけて、右肩にバッグをさげて、瀕死の老人のように小刻みに震えながら帰った。
「適量」という概念が何においてもきれいに抜け落ちていて、そうめんを茹でれば誰か客人でも?と小首をかしげられることもしばしばだし、酒を飲めばア、アル中?と疑われても即座に否定できない感じだし、恋に落ちれば愛が重いんですけどと眉をしかめられたり、ブラブラブラ。
途中までは「適量」を意識したエレガントな装いを目指すのだが、ある臨界点に達すると「しゃらくさい、ええい、やっちまえ」とゴーサインが出てしまうのだった。しかも年々そのタイミングが早くなっている気がする。年をとって辛抱ができなくなっているとか。そういえば字も汚くなったし、掃除も雑になったしなあ、と考えると憂鬱になるが、要は買い過ぎに気をつけたいという話です。

『69 sixty nine』を観る。
村上龍の同名小説の映画化なのだが、映画の方はまあ見なくてもいいかなという感じだった。というのも私はこの小説が好きで何度も読み返して自分のイメージを持ってしまっているので、う〜んそういう感じじゃないんだよな、という違和感が拭えなかった。だいたい主人公が妻夫木くんてのも馴染まない。もっとちんちくりんでなきゃ、村上龍さんみたいにね。
この本を読むといつも人気者オーラって大事だよなと思う。人気者はなろうと思ってなれるものではない。天性の問題だ。いじめられオーラの人がいるように、愛されオーラの人がいる。飲み会に顔を出しても軽く流される人もいるし、皆に歓迎され拍手をもらう人もいる。誰が人気者で誰がそうじゃないか、誰もが知っている。そういうのって残酷だ。
それでも、それは仕方ない所詮この世は不公平、と明るく屈託なく思えるくらい、主人公のケン(つまりは著者本人)は魅力的だ。村上龍の本が売れるわけだよなあと納得させられる小説です。笑えます。

投稿者 shiori : 12:15

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