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2005年07月05日

日記: 7/5

幻冬舎から創刊されたパピルスという雑誌を手に取る。
『亡国のイージス』とか『ローレライ』とかを書いた、今話題沸騰の福井晴敏の新作『インベーダー』という読みきり小説を読んでみた。
お笑い要素(あまり笑えない)と科学要素と社会的要素と人情要素がちょこっとずつつまみ食いされていて、安いクッキー缶のような小説だった。深いところで必然に多面的になるのと浅いところで意図的に多面性を演出するのはまったく別の話である。ビールと発泡酒くらい違う。どちらでも構わないんだけど、福井さんにはどちらの凄みも感じられなくて残念だった。頭がよくて器用な人は少し損するのかもしれない。
音楽のヒットチャートを観察していた時代に、日本で売れる曲は色んなジャンルをつまみ食いした小器用で安い歌なんだなあと思っていたけれど、本の世界でも同じなのだった。
本にしても歌にしても、創る方は策士なのだからこの程度餌をつけておけば食いつくと計算している。作家でなければ編集者が、歌手でなければディレクターが勘定している。それなのにカモられていることに気づかずまんまと引っ掛かるヌケサクな購買者ばかりで大丈夫なのかニッポン?オレンジレンジで大丈夫なのか?あいしあって〜けんかし〜て、に感動していいのか青少年?
としばらく悪態をついて過ごした。普段はそんな疑問を口にするのさえ時間の無駄なのでシカトしているが、時々こうやって発作的に文句を言いたくなる。とどのつまり、一人で噴火して一人で鎮火するだけなのだが。
今は好んで一人でいるけれど、バンドはそういう火を噴く感じを言葉にせずに共有できるところがよかったなあと今さらながら思ったりもする。この先もう一度やることはないような気がするけど。
ちなみにパピルス自体は悪い雑誌じゃないです。

今日は梅雨の晴れ間だったので洗濯機を3回まわした。嫌いな家事第2位なので苦痛だった。(一位は料理・・・)全部がタオルのように四角かったら楽なのに、とシャツを恨めしく握りしめた昼下がりだった。
夜は夜で決死の思いでトマトとベーコンのパスタを作ったら、祖母は2口食べただけで残していた。傷つきました。「ババア、おら、食え」とかも言えず、しょんぼりして夜半まで過ごした。

投稿者 shiori : 13:45

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