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2005年06月01日

日記: 6/1

「あたし、ひゃくさい?」
という祖母の大声で目が覚めた。起き抜けに笑わせるのはやめてほしい。だいたいサバを読み過ぎだ。まだ90です。
「こなに脚がひょろひょろもたついて、100年くらい生きとろぞいとおもたけんど、まだ90かや、どうならどうなら」
とつぶやきながら廊下をよろよろ歩いていく。
「どうなら」と合わせて「あれどしたんぞや」というのも祖母の口癖である。(弱形は、あれどしたんかしらん)
使用例としては
・(立とうと思うのに立てない時)「あや、立てんがや、あれどしたんぞや」
・(特大のみかんなどを見たとき)「ありゃあ、こげなに大きくて、あれどしたんぞや」
・(テレビで巨漢の人を見たとき)「こげに太うてどうもこうもならんわい、あれどしたんかしらん」
今日も天井を見上げて溜息をつく。
「ああ、はよ死にゃええものを、わりかたむつかしいのよ、あれどしたんかしらん、ひと思いにぺしゃ〜とつぶれてしもたらええのにのう」
そうねえ、と適当に聞き流す私。
その数分後から、連続して地震がおきる。地鳴りがするような、気味の悪い揺れ方をする。
祖母の様子を見に行くと、横たわったまま座ぶとんを抱えて顔半分を隠している。どうやら防空頭巾のつもりらしい。
「おばあさん、地震だね、こわいね」
「ほうよほうよ、おそろしいかい。どうすることもできんわい。ゆうていくとこがないけんのう」
「おばあさんも死にたいゆうても、地震でへしゃげるのは嫌やろ?」
「嫌じゃ(きっぱり)」
「いざとなったら、おぶって逃げてあげるからね」
「ほうよ、逃げる時はみんな一緒に逃げようぞな、よろしくね」
と念押しされたのだった。
そのあともすごくて、寝る前にパジャマに着替えてもらおうと思ったら、着ないと言い張る。
「何かあったら逃げないかんけん、今日は寝ずに起きとるけん。それに寝巻きで外出たらおかしかろ?」
生きる気まんまん・・・
もちろん10分後にはすやすや寝ていた。長生きする人はやはりひと味違うものだと感心した。

『ルルオンザブリッジ』を観る。ポール・オースター監督脚本。
『スモーク』のときにも思ったけれど、彼は小説家だからさすがセリフの言葉選びが上手い。脚本の完成度も高い。
それでも、そこがいまいちなんじゃないかと思う。映像の出る幕がないというか。そう考えると、ウディ・アレンは偉い。すべて自分でこなしながら最終的には、監督よりも俳優よりも脚本よりも作品が素晴らしいように仕上げるのだから。
しかし何を隠そう、私はハーヴェイ・カイテルが大好きなので、映画の出来はどっちでもいい。眺めるだけで血が熱くなる。顔も体も大好きだ。
脚が短くてお尻や太ももや胸が太いのがいい。(体脂肪低め)
私の男子の趣味もずいぶんエロくなったものだ。長身で足長の男前なんてまったく興味なくなったものな・・・(高収入にも高学歴にも)
雨のそぼ降る中、横浜の港の方で花火をやっているらしい。どおん、どおん、どおん、と安田大サーカスみたいな音だけ聞こえるが、肝心の中身が見えない。となると単なる騒音ですね。
今夜は1時就寝。
地震に備えて、落下物を避けていつもと逆向きに寝る。

投稿者 shiori : 14:26

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