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2005年05月31日

日記: 5/31

祖母の体が不自由になって、私の生活は若干のモデルチェンジをした。一番大きな変化は、家にいるのに化粧をして服装を整え、掃除をこまめにするようになったことだ。というのも、来客がやたらめたら増えたのである。
週2回のお風呂サービス、週1回の理学療法士によるリハビリ、月2回の訪問看護に月1回の往診、知人の見舞いに親戚の訪問、と挙げればきりがないが、中でもお風呂サービスが手ごわい。
力持ちの男性+看護士+介護ヘルパーという3人組が半分に割れた風呂桶をかついでやってくると、リビングに防水シートを敷き2mの風呂桶を設置して、家の風呂からポンプでお湯を移していく。準備が整うと、祖母が登場し、つるっと服を脱がされ、さっと抱きかかえられ、じゃぼんと湯舟に浮かべられる。ほんの2秒の出来事。
2人がかりで頭から足の爪先まで首尾よく洗ったかと思うと、お風呂の湯を抜きながらシャワーで石鹸を洗い流して、タオルで水気を拭き取り、気が付くとバスタオルを巻いた祖母が頬を少し赤らませて座っている。
着替え、爪切り、ドライヤー。その間に風呂桶は再び解体され、シートは畳まれ、家具は元の位置に戻される。そして、お風呂隊は大きい声で挨拶して帰って行く。所要時間45分。拍手喝采。
すさまじい連係プレーだ。日本代表もこれくらいできればドイツ、はおろかW杯優勝を狙えるかもしれない。
しかしそんなお風呂隊を迎えるためには、リビングのスペース確保(わりと至難)と風呂場および排水溝の掃除、祖母の着替え準備、とそうたいしたことはないのだが、週2回となると少し面倒なのが本音です。

ということで掃除少々。お風呂隊はこちらの手を一切煩わせないものの、横で歌の練習をするわけにもいかないので、何とはなしに見る羽目になる。私は自室というものをもたないゆえ。
それでも今日はそれ以外は自分の作業に集中できた。
夕食は鯖の塩焼き、麻婆豆腐、南瓜の煮付けなど。ビール1缶。
『みなさん、さようなら』を観る。
低予算だが高品質な映画だった。死に方、つまりは生き方の話。
民族的な特徴なのか、個人的な特徴なのか、主人公は賑やかに死際を迎えたが、私はああいうのは嫌だ。死ぬときは猫のようにひっそりと森の中に入って静かに目を閉じたい(イメージです)と思う。
賑やかだろうがひっそりだろうが、死際の不安や諦観や幸福感は誰でも同じだとは思うのですが。好みの問題ですね。
それにしても自分のフランス語リスニング能力がいかにPOORなのか、身にしみた。字幕がなかったら、ジャンルの区別もつかないと思う。うっかりスプラッターものとか言ってしまいそうな感じだ。
(正しくは、TSUTAYA的にいうとヒューマンドラマ泣ける一本みたいな。泣けませんけど。というか泣ける一本で泣けたことないんですけど。TSUTAYAも私も両方悪いとは思うんですけど)
山田詠美の新刊『風味絶佳』を半分読む。
文体があまり馴染まないのだけど、考えていることはおそろしいほどよくわかった。そういえば昔、顔が似ていると言われたことがある。(?)
午前1時、気絶。

投稿者 shiori : 14:40

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