しおりの吠えたガール＠鬱屈ナイト

月曜日の朝は必ず綱島のジムへ行き
マンボ！シャッセ！キックアンドボールチェンジ！
エルビス！スパイダー！リバース！ボックス！
などという号令に合わせてダンス！
するのですが
名前も知らないそのおばさんは
いつも私の顔を見ると親しげに寄ってきて
「ああ、来た来た、よかったあ」
「頭では分かってるんだけど体が動かないのよ」
「来週の特別レッスン申し込んだ？」
とか何とか果敢に話しかけるのですが
それ自体は嫌なわけではないけれど
そのノリに乗ってしまうと色々と面倒なので
皇室の方々のように
全てを笑顔と会釈でのみやり過ごしているのですが
それがまたいっそうおばさんの興味を引くようで
今朝もまた飽きもせず私の方へ寄って来ると
半笑いの好奇心溢れる表情で
「あなた、週末に、見かけたわよ〜ふふふ」
と言った。
「そうですか、あは、へへ、ぷは」
どぎまぎした私は何だか変な笑い方で会釈して
そそくさとその場を立ち去ったのだけれど
よく考えたら、ふふふって何だ？
おばさんは何を見かけたんだ？
急に恥ずかしくなり先週末の行動を思い返せば
確かに私は近辺を激しく動き回っていた。

１、ジャスコで買った布団を抱えてよろよろ歩いていた
２、競輪選手並みに自転車を飛ばしていた
３、ハイスクール奇面組のパチンコゲームに熱狂していた
４、お好み焼きを破竹の勢いで頬張っていた
５、東急ストアで４割引の冷凍食品を必死の形相で物色していた
６、PSPとNINTENDO・DSの箱を握りしめたまま３０分迷っていた
７、下着売場でブラジャーのパットの厚みを確かめていた
８、あらゆる建物のあらゆるトイレに駆け込んでいた
９、くわえ煙草でタンを吐いていた
１０、おまんこと大きめな声で言っていた

おばさんはどれを見かけたのでしょうか、
どれを見られてもいいようなものだけれど
見かけたらせめて声くらいかけてほしいものです、
所在ないじゃないのさ。