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2007年11月05日

カタカナ: チェス chess

 先日「チェス盤殺人鬼」なるロシア人男性の話を聞いた。18の時に級友を殺して以来その味が「初恋」のように忘れられず、殺害を重ねること51回、その思い出をひとつひとつチェス盤のマス目に綴り、64マス埋めるのが目標だったというのだから、いやはや、ユーラシア大陸の鬼畜はスケールがでかいというのか、本当におぞましいことなんだけれども、それはそれとして、欧米はやはりチェスが盛んなのである。日本では普及が遅れ、将棋や囲碁のほうが圧倒的に人気だが、世界でみると、盤上競技の中でチェスの競技人口がもっとも多い。
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 チェスと将棋は似ていると言われるが、それもそのはず双方ともインドのチャトランガという遊戯から派生したゲームである。確かに仕様や駒の動きは驚くほど共通項が多いものの、西へ東へ伝播するうちにそれぞれ変更が加えられ、両者は似て非なるゲームになった。最大の違いは、将棋は奪った駒を自分の駒として使用できるが、チェスはできないという点。ということはチェスは終盤になると持ち駒の少ない状態で戦うことになり、おのずと戦略は異なってくる。
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 駒の種類は6種、写真の左からキング(king)、クイーン(queen)、ビショップ(bishop)、ナイト(knight)、ルーク(rook)、ポーン(pawn)。ビショップはカトリックの司教を指す。将棋の角の動きをする駒だ。ルークは「城」、将棋の飛車にあたる。ポーンは「歩兵」、将棋の歩と同じ。ナイトは全方位に動ける桂馬。金将銀将の動きをする駒はない。チェス(chess)の語源はペルシャ語で「王」を意味するshah(シャア)。英語で「詰み」を示すcheckmateはペルシャ語でKing is dead、動詞のcheck(阻む、調査する)も同語源である。
 チェスや将棋のコンピュータ対戦は人工知能の面から非常に興味を持たれているが、1990年代、IBMの開発したスーパーコンピュータ、ディープ・ブルーは最強のチェス選手と対戦して勝利をおさめた。その後もヒドラプロジェクトといって、世界最強のチェスマシーンを開発する作業は続いている。将棋にはボナンザという将棋ソフトがあって、今年の春、渡辺明竜王と対戦して竜王が勝利した。負けそうになった場面で、ふと思いついて、通常ならばあり得ないお馬鹿な手を打ってみたら、ボナンザが混乱したため勝つことができたという。ちなみに開発するのがもっとも難しいとされているのは囲碁マシーン。

投稿者 shiori : 11:32

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