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2007年09月03日

カタカナ: ビール vol.1 beer

 そもそもビールとは、古英語で「飲むもの」という意味。漢字で麦酒と綴るように、麦から作られる酒である。その誕生は今から5000年前、メソポタミア地方のシュメール人が作ったと言われている。その後、エジプトを経てヨーロッパへ伝わった。日本に持ち込んだのはオランダの商船、18世紀前半、ちょうど忠臣蔵の頃のことである。
 国別一人当たり消費量を比較すると、日本は現在30位。1位はチェコで日本の3倍、2位はアイルランド、3位はドイツ、となっている。都道府県別一人当たり消費量を見ると、1位東京、3位大阪、は順当だとしても、2位高知、というのが愉快である。さすがイゴッソとハチキンの県。
 さて、ビールの原材料でまず重要なのは麦芽(malt:モルト)である。通常使用されるのは二条大麦(ビール麦)。六条大麦や小麦、ライ麦を混ぜて作る種類もあるが、いずれにしても麦を水に浸して発芽させ、麦芽を作るところからビール醸造が始まる。乾かし方や加熱の仕方などによって麦芽は数十もの種類に分けられるが、どの麦芽を使うかでビールの色や味が大きく変化する。黒ビールには焦がして黒くした麦芽を、色の淡いピルスナーには低温加熱の麦芽を、といった具合。
 次にホップである。これはクワ科の植物で、形状は緑の小さな松ぼっくりといったところ。ホップを入れることでビールに香りと苦みが加わる。余計なタンパク質を分解してビールに透明感を与えたり、泡立ちをよくしたり、殺菌作用があったり、要は縁の下の力持ちというわけだ。チェコやドイツの最高級ホップはアロマホップ、ファインアロマホップと呼ばれ、他と区別される。
 それから水。いわずもがな、水が美味しければビールも美味しいわけだが、一般的には濃い色のビールは硬水、薄い色のビールは軟水で作られているようだ。
 基本的にこの3つのみで作られたビールは、麦の香り豊かで深い味わいに仕上がる。日本のものでいうと、プレミアムモルツ、エビスビール、ハートランドビールの類い、それから麦芽100%を謳うモルツ、キリン・ザ・ゴールドなど。
 一方のキリンラガー、一番搾り、スーパードライ、サッポロ黒ラベル、などには、米、コーンスターチ、といった副原料が使われていて、前者よりもすっきりとした飲み口になっている。どちらがいいかは好みの問題だが、ベルギービールのヒューガルデンなどはオレンジピールやコリアンダーが副原料として使用されていて、副原料によってホップでは出せない香りを楽しめるとも言える。
 酒税法によれば、この副原料が麦芽重量の50%を超えると、発泡酒に分類される。近年誕生した第三のビールというのは、ビール的な味をしているというだけで、ビールとはまったく別の原材料(エンドウ豆とか大豆とか)および製法で作られている。いうなれば、ビールのレプリカである。
 次回はビールの種類について。(筆が乗るな……)

投稿者 shiori : 12:25

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コメント

ビール話、面白いですね。

かつて、スコットランド人の友達にお前が好きなのはビールでなくてエールだと軟派呼ばわりされたことがあります。

だけど「よなよなリアルエール」はおいしいです。

次回が楽しみです(ドクターストップ中)

今日、成城石井を含め数軒の酒屋を回ったのですが
「よなよな」、よう見つけんかった
どこで飲めるのでしょう
美味しいと聞くといてもたってもいられません

私の所感ですと、エール好きは軟派というより骨太なイメージです

ネットで買えます。
例えば(僕は店で生のを飲みますが)
http://www.rakuten.co.jp/yonayona/451120/

あとはレフブロンドがスキです。
http://www.belgianbeer.co.jp/lineup/detail_41.htm

ヤバイ、飲みたい(禁酒中)。

さっそく入手したいと思います!
飲みたいのに飲めないのはつらいですね
そういう拷問があったら、すぐに口を割る気がします
でもどうぞご自愛を

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