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2007年08月18日

日記: 入院初日

※無事退院しましたので、日記を再開します

 思えば5日ほど前から具合はよくなかった。
 しかしこういうのは後で振り返って初めて言えること、その時は多少具合が悪くても平気と鷹揚に構えてしまうものだ。天下泰平な日常を愛しているから。それに大概は知らぬ間に体調は戻っている。だから余計なめてかかる。すると手痛いしっぺ返しを食らうことも時にはあって。
 昨晩から腹痛が激しくなった。痛くてまっすぐ歩けないほど。食事はお粥を舐めただけで、早々に床に就くも結局朝まで眠れず。未曾有の痛みに恐怖を感じて、祖母かかりつけの診療所に駆け込んだ。すると先生は10秒診察して、ああ、これは盲腸、すぐ手術しないと、と言う。しかし設備の整った大病院はお盆で医師不足、すったもんだの末、鶴見にあるS病院に入れてもらえることになった。
 手術覚悟で臨んだ身にすれば不幸中の幸いと言えるのだが、S病院の診断は盲腸ではなく懸室炎。なんでも腸には懸室という出っ張りがあって、そこに菌が入ったりすると腫れるのだそうだ。特にめずらしい病気ではないらしい。ひどくなると手術だが、とりあえず抗生物質の投与で様子を見たい、と先生は言った。三日絶食、最低一週間の入院、と告げられたが、まあ手術するのに比べれば何でもよい。
 CTで視ると腸の腫れがひどかったようで、これはずいぶん痛かったでしょう、と同情された。そう言われると、いいえ、それほどでも、と強がってしまうのは私が天の邪鬼だから。それでも病室に連れていかれると、途端にすべてが現実味を帯びてきて、しょんぼりしてしまった。全部嘘ならいいのに、と思った。家族が帰って一人になるとますます淋しくなって、布団をかぶってこっそり泣く。
 この夜はひどかった。炎症のせいで39度まで熱が上がり、お腹は焼きごてを据えられたように痛く、うめき声を禁じ得ない。どんな姿勢をとっても安まらない。抗生剤の効き目がわからなくなるので解熱剤ももらえず、看護士さんに何度も氷枕を替えてもらって耐える。まこと彼女が天使に見えた。
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投稿者 shiori : 15:26

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