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2007年07月25日

カタカナ: フェロモン pheromon

 フェロモンの出ている人というと異性がついその気になってしまう肉感的な人を指すようだが、実はフェロモンとは昆虫用語である。
 前回の項でホルモンは一個体の中でやりとりされる物質だという話をしたが、フェロモンは同種の異なる個体でやりとりされる物質である。昔はエクトホルモンと呼ばれていた。エクト(ecto)とは「外の」という意の接頭語。外に向けたホルモンというわけだ。ギリシャ語のpherein(運ぶ)と hormao(刺激する)を合成してフェロモン(刺激を運ぶもの)と名付けられたのは今から50年ほど前のことだ。
 フェロモンにはいくつかの種類があって、交尾をするために出すフェロモン、餌の在処を知らせるフェロモン、敵の危険を知らせるフェロモンなど、いずれも虫たちが種を保存するために出す物質である。
 ホルモンやフェロモンは非常に量が少なく濃度も低いため、採取して分析するのに難儀する。ゴキブリ50万匹をすりつぶしても得られるフェロモンは1mgに満たないのだそうで、なんというか、あまりぞっとしない話ではあるが、蛾などは数キロ先からでもフェロモンを嗅ぎ分けて飛んで来るとか、微量なれどフェロモンの威力は絶大である。
 では哺乳類にフェロモンはあるのかというと、象や豚には存在することが発見されている。となると我々ヒト科はどうなのかと気になるが、残念なことに科学的に実証されていないのが実情である。
 女をメロメロにするエキスを買って(数万円)熱心に身体に擦り込んでいる愉快な友人がいて、まあそれなりの発展もあるようで結構なことなのだが、それはおそらく「俺は色男だ」という自信のみなぎりのなせる技というのか、鰯の頭も信心からというのか。

投稿者 shiori : 16:02

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