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2007年07月26日

カタカナ: ラテン Latin

 ラテンの原義は「イタリアの古代国家Latium(現Latio州)に所属する」であり、その土地の人をラテン人、彼らの言語をラテン語と呼んでいたのだが、ローマ帝国が建国されてラテン語が公用語になると、国家勢力の拡大とともに広く波及することになった。
 ローマ帝国が崩壊の途を辿るにつれて、支配下にあった地方にはラテン語を祖とする新たな言語が使われるようになる。それらをロマンス諸語と呼び、イタリア語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、ルーマニア語などはそのカテゴリに入る。当然ながら文法や発音、語彙は似通っている。
 言語体系でいうと、インド・ヨーロッパ語族のイタリック語派に属し、同じ語族でもゲルマン語派とは一線を画す。こちらに属するのは北欧系言語、英語、ドイツ語、オランダ語など。
 そして時は大航海時代、スペインやポルトガルがこぞって海外進出をして今でいう南アメリカに植民地を持つようになると、原住民たちは宗主国の言語を使用を強いられ、ラテンという形容詞が冠されるようになった。ラテンアメリカとかラテン音楽とか呼ばれるのはその所以である。
 現在ラテン語を話すのはカトリック教会の典礼時のみであり、日常的に使う人はいない。しかし学術系(医学、法学、生物学など)の専門用語はラテン語が多いし、我々が普段使う言葉も遡ればラテン語派生のものがたくさんあり、死語というわけでない。

投稿者 shiori : 11:38

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