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2007年05月06日

カタカナ: ハンカチ handkerchief

 ハンカチを持たなくなって久しい。私は断然ミニタオル派である。理由は簡単、ハンカチは一回手を拭くとびしゃびしゃになるし、洗うとしわくちゃになり手入れが面倒だからだ。それに最近の公衆便所はジェットタオルが完備されているし、どこへ出かけても紙タオルやナプキン、ティッシュにウェットティッシュが置いてあるので、実のところタオルを忘れても困ることは少ない。世の中使い捨て賛美の時代なのである。
 ハンカチの発祥は14Cのイングランド、王様が鼻をかみ手を拭く布を用意させたことに端を発している。現在の正方形の形に定めたのはマリー・アントワネットとも言われる。kerchiefとは頭にかぶる四角形の布のこと、手を拭くのがハンカチーフ、首に巻くのがネッカチーフというわけだ。古い洋画を観ていると上流階級の人たちは皆白いハンカチを携えていて、口を拭いたり涙を拭ったりお別れの時にはさっと取り出してひらひら振っている。当世流のお洒落アイテムだったのだろう。
 それに対抗するように登場したのがバンダナである。ヴィヴィッドカラーにペイズリー模様、ハンカチよりも大判で労働者階級が使用した。鼻をかむだけでなく機械の油を拭き取るのにも用いたり、日よけや汗止めとして頭に巻いたり、戦後もロックやパンクのミュージシャンが身につけたことからファッションとしても人気が高い。21Cに入ってから古びた感はあるけれど、前世紀中は私も喜び勇んで活用した。もちろんあなたもね☆
 ポケットチーフというのもある。男性のスーツのポケットから顔を覗かせているハンカチだ。何十種類という折り方があって、紳士はTPOによって使い分けるのだが、こちらもいささかオールドファッションの趣きがあり、要は世界的にハンカチ文化が廃れてきているのだった。私は男性の布を扱う仕草が好きなので、ちょっと残念である。
 男性と言えばこれは偶然なのだけれど、私がそれなりの仲になる男性は皆ハンカチを持っていた。ズボンのお尻ポケットにはいつもハンカチが入っていて、手を拭きながらトイレから出てくる。汗を拭う。私がべそをかけば、さっと取り出して手渡してくれる。優しくて品が良くて素敵だった。彼らがまだハンカチを持っていれば嬉しいのだけど。

投稿者 shiori : 18:16

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