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2007年05月03日

カタカナ: ゼラチン gelatine

 肉や魚の煮汁を放置しておくとゼリー状の固まり(煮こごり)ができるが、これがゼラチン。動物性のタンパク質でコラーゲンとほぼ同義、ぬるま湯に溶けて冷やすと固まる。温めるとまた溶ける。つまり口に入れると溶ける。だからゼリー、ババロア、ムース、グミキャンディ、マシュマロなど、ゼラチンを使った洋菓子は口当たりが良いことになる。
 「凍らしたもの」という意のラテン語から派生して出来た言葉なのだが、実はその歴史は古く古代エジプトに遡る。にかわといって現在でも弦楽器の修復なんかに使われるけれど、動物の革や骨から抽出した天然接着剤がゼラチンの起源。食用に使用されるようになったのは19Cに入ってからのことである。化学用語でゼラチンを溶かした液のことをコロイド溶液と呼ぶが(光を当てると白く濁る:チンダル現象)、このコロイドとはギリシャ語でにかわを指す。現在では食用の他に薬のカプセルや化粧水、写真のフィルムにも使われている。
 寒天も凝固作用のある食材である。こちらはテンクサやオゴノリといった海草類から作られる食物繊維。ゼラチンとは違って栄養もなければカロリィもないし、熱湯に溶けて常温で固まるという点も異なる。羊羹や杏仁豆腐を想像すればわかるようにゼリーよりも硬度も高い。少量で固まるし、ゼラチンに較べれば値段も安い。
 ペクチンという凝固剤もある。野菜や果物に含まれる多糖類で、糖分やカルシウムと混ざると凝固する。ジャムがよい例。実はフルーチェが魅惑的に固まるのもこのペクチンの仕業である。その他、豆腐に使うにがりやごま豆腐に使う葛粉、わらび餅のわらび粉、とろみをつける片栗粉、自然界に凝固作用を持つ食材は意外と多い。

投稿者 shiori : 10:07

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