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2007年04月07日

カタカナ: モルテン molten

 最近はどうだか知らないけれど、私がバスケットをやっていた頃はボールはもちろんビブスもカウンターも得点表もフォーメイションボードもすべてモルテン製だった。だからモルテンというあのロゴを目にすると、ボールが床に当たる「てぃんてぃん」という音や竹刀を持った色黒のコーチの顔を思い出す。球技はあまり得意でなかったので格別良い思い出というわけではないが、ちょっとした思い入れはある。
 実は祖母のベッドもモルテン製である。だからあのロゴを発見した時は妙な気分だった。モルテンは介護製品だけでなく、親水製品や工業ゴムの分野にも進出しているようだ。
 寝たきりの人を介護者の力だけで起こすのは至難の技だが、介護用ベッドというのはリモコンひとつで上下前後自在に動かすことができる。価値としては50階建ビルのエレベータに相当するほど有り難い。軽度の場合にはこのベッドだけで充分なのだが、祖母のように寝返りも打てないとなると、こちらが見計らって体位変換をしてあげないと床ずれができる。専門用語では「じょくそう」といって壊死の一種なのだが、重症になると身体に穴があいたり腐ったりするので注意が必要だ。しかし介護者にも限界はある。そこで登場するのがモルテンの体圧分散式マットレスである。
 形状はエアマットなのだが、ある一点のみに圧がかからずできるだけ広い表面積で身体を支えるように自動で空気の出し入れをしてくれる。導入する以前は痩せてしまった腰骨やお尻のあたりが赤く腫れていた祖母だが、このマットレスのおかげでつるりとした柔肌に戻った。モルテン様々である。
 こういった寝具は20万円くらいするのだけれど、買う人はほとんどいない。購入した翌日に死亡というケースも大いにありうるので、介護用品のほとんどはレンタルである。介護保険を使えば月に5,000円くらいでベッドもマットレスも借りられる。

投稿者 shiori : 11:16

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